三菱自がゴーン会長解任 益子CEO「アライアンスは維持」
三菱自動車は26日、会長職と代表取締役を務めるカルロス・ゴーン容疑者(64)が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで東京地検特捜部に逮捕されたことを受け、臨時取締役会を開き、同氏の会長職と代表取締役を解任すると発表した。三菱自の益子修最高経営責任者(CEO)が会長職を暫定的に兼務する。
同日夕に益子氏が記者団に発言した主なやりとりは次の通り。
――ゴーン容疑者が逮捕されたことを知ってどのように考えますか。
「このニュースを初めて知ったのは、先週月曜日の午後5時半ころ。ともかくなぜ、どういう理由で逮捕されたのか理解できず、この1週間はあっという間に過ぎた。非常に残念だ」
――技術力の点でアライアンス(企業連合)の水準は現状、各社ばらばらです。それをつなぐ要だったゴーン容疑者が逮捕され、三菱自としての今後の成長戦略はどうなりますか。
「上期の決算で説明したように三菱自らしさを追求していく。自動車業界は今、変革期を迎えており、それを乗り越えるためにも大きな会社と同じではいけない」
――具体的な「らしさ」とは。
「三菱自らしさとは例えば、得意のSUV(多目的スポーツ車)だ。これに環境や自動運転など付加価値をできるだけ取り込んでいくことが重要で、こういうことを追求していくためにもアライアンスは必要だ。今後もウィンウィンの関係を軸にアライアンスは維持していきたい」
――ゴーン容疑者は、会長を解任された後も取締役として残ります。臨時の株主総会を開く可能性は。
「開く予定は今のところない」
――三菱自内での内部調査の進捗は。
「当社でも内部調査を開始しており、12月の取締役会では報告できるようにしたい」
――3社のトップ会談がオランダで予定されています。その会談で話す具体的な内容は。
「このトップ会談は定例の会議だ。今回の件を受けて、3社の今後について話し合う時間は持ちたいと思う」
――トップ会談の時期は。
「今週の後半を予定している」
――今回の件を受け、アライアンスへの今後の影響はありますか。
「アライアンスの基本精神は3社がウィンウィンになることと、3社ができる限り合意をすることだ。今回のことを機にその基本精神へ立ち返ることができれば、今後もうまく運営できると考えている」
「確かにゴーン前会長はその中心的な役割を果たしていた。ただ、ゴーン前会長だけでなく、人はいずれ変わる。今回はその時期が早まっただけと捉えている」

日産自動車が選択を迫られている。
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