2018年12月15日(土)

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ラグビー日本、手応えと課題得た3試合

2018/11/26 20:44
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ラグビー日本代表が11月のテストマッチ3試合を1勝2敗で終えた。強豪のニュージーランド(NZ)などと戦うなかで、来年のワールドカップ(W杯)日本大会への手応えもつかんだ。一方で未解決の課題もあり、目標のW杯8強までの距離はまだある。

日本はW杯2連覇中のNZに国内で大敗した後、渡英して世界ランク4位のイングランドに完敗。W杯の開幕戦で当たるロシアには辛勝だった。

試合の一部だけを切り取れば光明も多い。特に、イングランド戦の前半は理想とする速いテンポの攻撃が機能。5点リードで折り返しただけでなく、ボール保持率などでも圧倒した。相手が1軍半とはいえ、日本が強豪に40分間、これほど優位に立つことは珍しい。

背景には、生命線となる密集戦の成長がある。NZ戦ではここで大苦戦。倒れながらボールに絡むダーティーなプレーで球出しを遅らされた。2週間後のイングランド戦は見違える内容。球に絡みに来る相手を早めに抱えて排除したり、ボール保持者がタックルされる前に味方が後ろから押し込んだり。選手がNZ戦後に話していた改善策を自ら実行してみせた。

イングランド戦の前半は理想とする速いテンポの攻撃が機能した(トライを決めたリーチ)=共同

イングランド戦の前半は理想とする速いテンポの攻撃が機能した(トライを決めたリーチ)=共同

選手主導での修正力は現チームの強み。スーパーラグビーに日本のサンウルブズが参戦した経験が生きている。日本式の細部にこだわるスクラムも「狙って反則を奪えるようになってきた。成長を感じる」とプロップ稲垣啓太(パナソニック)。キックを多用する攻撃戦術や前に速く上がる組織守備も向上している。

ただ、個別の長所が結果に結びつくまではいっていない。イングランド戦は主審の判定の変化に対応できず、後半に反則連発で崩壊。格下のロシア戦でも判断ミスや主審の判定への対処などで苦戦した。リーチ・マイケル主将(東芝)は「試合のマネジメントが一番の課題」と話す。

日本のライバルは先を行く。W杯の1次リーグで対戦する強豪のうちアイルランドは17日にNZを撃破。W杯の優勝候補筆頭になりつつある。スコットランドも好調。両軍との差は本番でさらに広がる懸念もある。

前回大会の日本の成功要因が情報戦だった。W杯の2年半前から対戦国を分析、選手に起用法も指示した。審判を招いてもてなし、強化試合の笛も吹かせた。今回は後手に回る。「W杯はまだまだ先」と繰り返すジョセフヘッドコーチは相手分析は未着手。逆にアイルランドは代表コーチを日本のトップリーグのチームに送り込んでいる。「情報収集に来た」と代表スタッフは警戒する。

現指導陣にとってW杯の指揮は初体験。開催国の重圧への対処など手薄な分野もあり、選手からは改善の要望が漏れる。

今、代表関係者が不安視するのがW杯前の強化試合だ。日本ラグビー協会は南アフリカ戦を検討中だが、思い出されるのが2006年サッカーW杯の失敗。日本は開催国ドイツと直前に好勝負した反動で調子を崩し、未勝利で敗退した。南ア戦ともなれば選手の緊張は高まる。1カ月後のスコットランド戦まで状態を保てるのか。

選手の経験値、主体性で、現代表は史上最高レベルだろう。ただ、W杯というプロジェクトを知り、全体を管理できる人がいない。放置すれば、命取りになりかねないのだが。(谷口誠)

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