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トラさんの変則スイングとアナログな感性
編集委員 串田孝義

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2018/11/29 6:30
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カシオワールドオープンで5年ぶりの日本ツアー2勝目を決めるウイニングパットを沈めた韓国の45歳、崔虎星(チェ・ホソン)のアクションは毎ショット後の派手さに比べると、驚くほど地味だった。「スコアをしっかり把握できていなくて、勝った確信を持てていなかった」とは本人の弁。だが額面通りには受け取れない。

普段からあれだけの変則スイングでギャラリーをわかせている人だ。優勝の確信がなければいつものようによろけてみたり、「ゲッツ」ポーズが飛び出したりしたはず。優勝を意識していたからこそ逆に謙虚な素の振る舞いになったのではないかと勝手に推測している。

最終日、18番でウイニングパットを沈め、控えめにガッツポーズ=共同

最終日、18番でウイニングパットを沈め、控えめにガッツポーズ=共同

「トラ(虎)さん」のスイングは変則だが、どう変則かを言葉で表現するのは難しい。球のインパクトまでは方向性重視の「ライン出し」ショットに近く、そこに飛距離を付け加えるためにインパクト後は左脚一本に体重を移動、ハンマー投げ選手よろしくクルリと体を回転させて球に力を伝えている。

「今年はとにかく飛ばそうと」

「昨年までは真っすぐに飛ばそうという気持ちが強かった。今年はとにかく飛ばそうと考え方を変えた。近ごろの若い選手は飛ばすので、飛距離を伸ばさないとチャンスがない」

「回転力をボールに伝えて球を飛ばすにはパワーが大事。冬場のトレーニングでは100キロのバーベルを背負ってスクワットします。私、意外と力強いんですよ」

ライン出しの意識を徹底、クラブをシャットに上げて球をとらえるまでフェースをしっかりコントロール。ここまでのスイングを切り取れば、いま世界で最も強い韓国女子ゴルファーのスイングを思わせる。球が曲がらないのも納得だ。

ただその際、多くのゴルファーは上半身と下半身の捻転差を利用して飛距離のパワーを生み出すが、崔虎星は「25歳でゴルフを始めた私は体が硬い。それを補うためにクルリと回る」。強靱(きょうじん)な上半身でクラブを振り下ろした力を球に伝えたあとはフォローで一気に解放している。

今季、2014年と1ラウンド当たりの平均パット数1位というパットの名手でもある。フェースを操作、球をとらえる感覚が鋭いのだろう。ショットでもフィニッシュ時のクラブの向きでドロー、フェードを打ち分けている節がある。フォロースルーではまるで踊っているかのように体を左右に揺らす。そこに球を動かす意味はないと思われるが、そこはプロゴルファーの超常感覚というものかもしれない。

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