2018年12月19日(水)

NY原油50ドル台 急落なぜ 供給過剰に警戒感(Q&A)

OPEC
2018/11/26 15:00
保存
共有
印刷
その他

原油価格が急落している。10月初めに約4年ぶりの高値をつけてから下落基調に転じ、ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は1バレル50ドル台と10月の高値に比べ3割安い。売りが膨らんでいる理由をまとめた。

Q 急落の背景は。

A トランプ米大統領が原油価格のさらなる引き下げが必要と発言し、先安観が強まった。WTIは10月初めに76ドル台まで上がったが、11月に入って60ドルを割り込み、20日に53ドル台まで下げていた。

下落が鮮明になるなか、トランプ氏は21日に「サウジアラビアに感謝するが、さらに低くしよう」とツイッターに投稿。産油国が減産しづらくなるとの見方が広がった。

Q 石油輸出国機構(OPEC)は相場を下支えしたいのでは。

A 2019年にかけて世界の原油需給は日量100万バレル以上の供給過剰になるとの見方がある。OPECを主導するサウジは協調減産の延長を探る。

しかしトランプ氏は10月のサウジ人著名記者の殺害事件に関し、同国のムハンマド皇太子の関与を断定せず、サウジをかばう姿勢を示した。サウジは原油高を嫌うトランプ氏に配慮せざるを得ないとの観測が出ている。

原油価格引き下げが必要とするトランプ米大統領の発言も影響した

原油価格引き下げが必要とするトランプ米大統領の発言も影響した

Q 10月までは原油高といわれていた。

A 10月までの原油高を招いたのは、イランの供給が急減する不安だった。トランプ米政権はイランへの経済制裁を再発動すると5月に表明し、イラン産原油の輸入をゼロにするよう各国に求めた。

11月初めになって日本を含む8カ国・地域に適用除外を認め、供給不安が薄れた。イラン産の減少を見越してサウジやロシアが増産し、米国の産油量も過去最高水準にある。一転、過剰感が強まった。

Q 需要も増えているのでは。

A 米中貿易摩擦が世界景気に影を落とし、原油の消費量も伸びが止まるのでは、との懸念がくすぶっている。最大の輸入国である中国の経済には減速感がある。

Q 原油の値下がりは続くのか。

A これ以上の下落が続けば産油国の財政は苦しくなる。焦点は12月6日のOPEC総会だ。「トランプ氏を刺激しない方法で実質的な減産に持ち込む可能性が高い」と石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之首席エコノミストは指摘する。

17年から非加盟のロシアなどと取り組んでいる協調減産の目標を順守することで、目標以上に生産しているサウジなどの供給を減らせる。事実上の減産で相場の底入れにつながる可能性がある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報