北方領土2島先行46%、2島だけ返還は5% 世論調査
決着前の条約締結「反対」45%

2018/11/25 21:00
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日本経済新聞社の23~25日の世論調査でロシアとの北方領土問題の決着方法を聞いたところ歯舞群島と色丹島の「2島をまず先に返還すべきだ」が最も多く46%に上った。「2島だけの返還」は5%だった。4島の一括返還を求めた人は33%だった。自民党支持層でみると2島の先行返還に賛成は55%だった。領土問題が決着する前に平和条約を結ぶことには賛成が43%、反対が45%だった。

安倍晋三首相とプーチン大統領は11月中旬の首脳会談で1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速すると合意した。同宣言では歯舞群島と色丹島の2島について、平和条約の締結後に日本に引き渡すと規定している。首相は4島一括返還ではなく、まず2島の返還を目指す狙いがあると見られる。

日ロ首脳が平和条約交渉を進めると合意したことには67%が評価した。自民党支持層を見ると「評価する」は81%にのぼり、無党派層でも56%が評価した。年齢別では20~50歳代では7割以上が評価したが、60歳代では67%、70歳以上は51%にとどまった。

領土問題の決着方法の回答を支持政党別に見ると、自民党支持層では2島先行の55%に対し、4島一括は約半分の28%。無党派層では2島先行が37%、4島一括が36%で拮抗した。自民党支持層ほど2島先行に理解がある。男女別では男性は2島先行に賛成が51%で、女性は同39%だった。

年齢が高いほど4島の一括返還を求める傾向もあった。4島一括は20~30歳代は3割前後だが、70歳以上は37%。一方で「2島だけ」は各世代で低い。18~29歳は11%あったが、30歳代以上の各世代では3~6%だった。56年の日ソ共同宣言は2島の「引き渡し」までしか言及していない。交渉の結果、2島しか返還されなければ厳しい評価を受ける可能性がある。

「領土問題が決着する前に平和条約を結ぶべきではない」と答えた人は45%で「結んでもいい」の43%と拮抗した。4島の一括返還を求めた人では「結ぶべきではない」が56%で条約の先行に慎重論が多い。

2016年11月の世論調査では「4島全てが返ってくるよう交渉すべきだ」は29%で「一部でも返ってくるよう交渉すべきだ」が60%だった。今年9月にプーチン氏は「年内に前提条件なしで平和条約を結ぶべきだ」と提案した。同月の世論調査では「年末までに平和条約を締結し、その後に領土問題に取り組むべきだ」が19%。「領土問題を解決した後に、平和条約を締結すべきだ」が66%だった。

日ロの両首脳は11月30日からアルゼンチンで開く20カ国・地域(G20)首脳会議で会談する予定。首相は来年1月にもロシアを訪問する方向だ。

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