台湾地方選で与党敗北確実 蔡政権の求心力低下へ

2018/11/24 21:54
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【台北=伊原健作】2020年の台湾次期総統選を占う統一地方選が24日、投開票された。焦点となる22県市の首長ポストのうち、与党の民主進歩党(民進党)は直轄市の台中市長など、現在の13から大幅に減らし、敗北が確実となった。蔡英文政権の不人気が響いた格好で、総統選への影響は避けられない。

「苦しく残念な結果だが、受け入れなければならない」。民進党現職の林佳龍氏(54)は24日夜、台中市長選での敗北を認めた。国民党新人の盧秀燕氏(57)の勝利が確定した。台湾メディアは他にも各地で国民党が優勢と報じている。

野党国民党候補の優勢が伝わり喜ぶ支持者=ロイター

野党国民党候補の優勢が伝わり喜ぶ支持者=ロイター

地方選は全22県市の首長や議員を一斉に選ぶ。約1年後の総統選の前哨戦と位置づけられ、前回は野党だった民進党が躍進し、16年の政権交代につながった。

22県市の首長ポストは13を握る民進党に対し国民党が6だけだったが、今回の選挙では逆転する勢い。約1年後の総統選に向け、民進党は蔡氏からの候補者差し替えを含め抜本的な戦略見直しを迫られる。対中融和路線の国民党は勢いづき、総統選で4年ぶりの政権奪還を目指す。

直近の世論調査によると、蔡氏の支持率は2割台と低迷し、今回の選挙戦で与党・民進党は苦戦を強いられた。

16年発足の蔡政権は批判があった公務員らへの優遇を是正する年金改革などを断行したが、既得権層の猛反発を受けたほか、消費には悪影響も出た。若者の低賃金など構造問題の解決も遠く、改革の成果を実感できない人々の不満がくすぶる。国民党は蔡政権への批判票を取り込む。

「一つの中国原則」を認めない蔡政権に対し、中国は台湾と国交を結ぶ国に断交を迫るなど、外交などで圧力を強める。今回選挙で民進党が敗北し、対中融和路線の国民党の党勢が回復すれば、中国は好機とみて台湾への揺さぶりを一段と強める可能性がある。

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