2018年12月19日(水)

「民泊、行政手続き改善を」 観光庁が問題視、自治体は反発も

社会
2018/11/22 22:18
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6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)の運用で、民泊の届け出先となる自治体のうち9割が法令で規定されている以外の独自の書類提出を求めていることが22日、観光庁の調査で分かった。2割弱の自治体は任意で現地調査を実施している。同庁は「行政手続法に違反する疑いがある」などとして改善を求める文書を出した。

同庁は独自の書類提出や現地調査は法令上届け出を受理する条件ではないとして「自治体による手続きの上乗せが、民泊の届け出が伸び悩む一因になっているとの指摘がある」と説明する。一方、自治体側からは「住民の不安を払拭するため調査している」など反発する声も出ている。

調査は民泊新法に基づく届け出先となる全国101自治体を対象に7月に実施。

調査によると、9割に当たる92自治体は新法に規定のない独自の書類提出を求めていた。周辺住民への周知を確認する書類や消防法令の適合通知書などが多いという。川崎市や神戸市など6自治体は提出を求める条例や指針もなかった。

さらに2割弱の18自治体は、届け出内容が正しいか確認するため任意で現地調査を実施。このうち京都市や那覇市など8自治体は原則として受理前に届け出の部屋の調査を実施していた。

このほか東京都文京区と那覇市で民泊新法に規定のない事前相談を「義務付けている」と回答したほか、57自治体が事前相談の実施を「推奨している」と回答した。

観光庁は「条例などの根拠なく、事前相談や立ち入り調査を受理の前提にする場合は、行政手続法違反の恐れがある」と指摘。条例などの規定があったとしても「一律に立ち入り調査を要件にすることなど、過剰な手続きを求めることは不適切だ」としている。

一方、受理前の現地調査を実施している京都市は「住民の不安払拭と手続き円滑化のために現地調査している」と説明。現地調査で記入された部屋の寸法などに誤りが見つかることが多いといい、受理前に間違いがないか職員が確認しているという。

このほかの自治体も「届け出内容を確認する必要がある。任意で調査することは不適切ではない」など反発している。

民泊新法に基づく届け出件数は11月16日時点で1万1719件で、9割近い1万465件が受理されている。

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