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ネット革命に乗れぬ日本(一目均衡)
証券部 関口慶太

2018/11/26 17:41
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11月6日、シンガポール。「暗号通貨(仮想通貨)に将来性はありますか」と問いかけたのは、ジャネット・イエレン氏。米連邦準備理事会(FRB)の前議長だ。

向かい合っていたのは仮想通貨交換会社などを傘下に持つビットフライヤーホールディングス(東京・港)の加納裕三社長。イエレン氏の問いに「それはブロックチェーン技術の一部にすぎません。この技術の未来は大きく広がっています」と答えた。

ブロックチェーンとはデータをネット上に分散して記録する技術。米国ではこの技術を基にした仮想通貨の研究が活発だ。米コインベースの調査では世界のトップ50の大学のうち42%が1つ、22%は2つ以上のクラスでブロックチェーンや仮想通貨を研究している。米スタンフォード大学なら10のコースがある。

「日本人は仮想通貨だけに関心を集めるが、米国ではブロックチェーンを社会全体としてどう生かすかを考えている」とコインベース日本法人の北沢直社長は話す。

関心の高さは資本市場にも反映される。コインベースが10月末に3億ドル(約330億円)を調達した際の企業価値は80億ドルと算定された。1年で価値は5倍に膨らんだ。

米国だけではない。中国のビットメインは仮想通貨の採掘(マイニング)装置で世界最大手だ。9月には香港取引所に新規株式公開(IPO)を申請した。企業価値は約1.5兆円とみられている。

10億ドルの価値を持つ未上場企業はユニコーンと呼ばれる。中国では同業のカナンクリエイティブとエバン・コミュニケーションもユニコーンだ。中国政府は仮想通貨の取引を全面的に禁止するが、仮想通貨とブロックチェーンの技術研究は最先端を走る。

日本は両国のはざまで埋もれている。2017年4月、仮想通貨を支払い手段と位置付けた改正資金決済法が施行されたとき、日本は仮想通貨の先進国と呼ばれた。しかし世界のマネーを引き寄せる企業は生まれなかった。上場を目指したビットフライヤーは内部管理体制の不備で金融庁から業務改善命令を受け、計画は事実上、凍結された。

仮想通貨の交換業者は金融機関だ。顧客保護を怠る企業は淘汰されるべきだが、仮想通貨の取引規制と仮想通貨技術の育成は別物だ。仮想通貨市場1兆円に対し、ブロックチェーン市場は300兆円になるとの試算もある。

幅広い分野で世界標準を目指す米中に対し、京都大学経営管理大学院の幸田博人特別教授は「日本は何を伸ばすかを戦略的に考えないと技術革新で勝てない」と話す。巨額の仮想通貨流出に見舞われた日本ならサイバー攻撃の防御技術に力を注いでもいい。

米ガートナーによるとブロックチェーンは過度な期待が終わり幻滅期に入るサイクルに差し掛かっている。その後「啓発活動期」を経て「生産性の安定期」に入るという。ブロックチェーンの一部である仮想通貨に目を奪われすぎると、日本は次のネット革命から脱落しかねない。

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