10月のCPI、1.0%上昇 エネルギー価格上昇で
エネルギー価格の上昇が物価を押し上げている。総務省が22日に発表した10月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で1.0%の上昇と22カ月連続で上昇した。上昇率は前月から横ばい。エネルギー価格の上昇を背景に灯油やガソリンなどの物価が上がり、全体を押し上げた。
エネルギー関連では電気代が前年同月比で4.5%上昇、ガス代も3.2%上昇。過去の燃料価格上昇が反映された。たばこ税の増税に伴い、たばこも8.6%上昇した。
生鮮食品を含む総合指数は1.4%上昇した。上昇幅は前月から拡大し、2月(1.5%上昇)以来の上げ幅だった。エネルギーが0.67%分の押し上げと、半分近くを占めた。ネギやレタス、白菜など生鮮野菜の物価も20.4%上昇と大きく上がった。
今後の物価動向はエネルギー価格と携帯電話の通信料がカギを握る。10月以降、原油価格は大きく下落した。SMBC日興証券の牧野潤一氏によると、CPIのエネルギーは原油価格に1~8カ月程度遅れて動く。今後も原油価格の下落が続けば、10月までとは逆にエネルギー項目が物価の下押し圧力になる。
携帯電話料金は政府内の議論を受けてNTTドコモなど大手が値下げの方針を表明している。今後、実際に引き下げれば物価下落要因だ。10月のCPIでも携帯電話の通信料は4.2%低下した。
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