第一三共、米で抗がん剤の承認申請

第一三共は22日、白血病を対象に開発中の抗がん剤「キザルチニブ」の販売承認を米国で申請したと発表した。米食品医薬品局(FDA)から優先審査品目に指定され、終了期日は2019年5月25日。既に日本と欧州で申請を済ませており、三大市場で19年中の発売にメドがついた。同薬を皮切りに、次の成長の柱と位置づけるがん治療薬を相次ぎ投入する。
第一三共が世界向けに開発した抗がん剤はキザルチニブが初めて。対象疾患は血液のもととなる造血幹細胞が増殖途中でがん化する「急性骨髄性白血病」。10万人に2~3人が発症するとされ、患者の約25%でがん細胞の増殖に関連するたんぱく質「FLT3」に遺伝子変異が現れる。キザルチニブはこの異常を抑える。
FDAの優先審査は治療に重要な進歩をもたらす薬や、現在適切な治療法がない疾患向けの薬を対象に指定され、通常10カ月程度の審査期間が6カ月に短縮される。既に「画期的治療薬(ブレークスルーセラピー)」と、FDAが開発を支援する「ファスト・トラック」に指定されていた。
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