トランプ氏、原油価格低下でサウジに「感謝」
【ニューヨーク=関根沙羅】トランプ米大統領は21日、原油価格の低下について「米国と世界にとって大きな減税。サウジアラビアに感謝するが、さらに低くしよう」とツイッターに投稿した。ガソリン価格上昇による消費者や米経済への影響を懸念するトランプ氏は、サウジなどの産油国に対し増産によって価格を抑えるよう要請。12月の石油輸出国機構(OPEC)総会に向けて圧力を強めている。
トランプ氏は20日、サウジ人記者カショギ氏殺害事件に関し、サウジ政府を擁護する声明を出した。「サウジは原油価格を合理的な水準に安定させてほしいという私の要望に良く応えている」と協調関係を強調。記者団に対して「サウジとの関係を断ち切れば、原油価格は高騰するだろう」と述べ、価格安定のためにサウジとの関係を維持する姿勢を示した。
原油相場は世界経済の減速や供給過剰懸念から下落基調で、10月初旬につけた高値から28%超下がっている。世界の原油在庫は5年平均を超える水準にあり、OPECやロシアなどの非加盟国は12月6日のOPEC総会で減産を検討する見通し。英キャピタル・エコノミクスの主席コモディティーエコノミストのキャロライン・ベイン氏は「米国の行動に関係なくOPECは減産に踏み切る」とみる。
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