19年の世界成長率3.5% OECD予測、日中欧減速

2018/11/21 19:00
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世界経済が先行きの減速感を強めている。経済協力開発機構(OECD)は21日発表した世界経済見通しで、2019年の国内総生産(GDP)の実質成長率を3.5%とし、9月時点から0.2ポイント引き下げた。18年に比べ0.2ポイント下がる。20年の予測では米国と中国の成長が大幅に鈍化すると分析。貿易摩擦などのリスクが高まる中、世界経済が頭打ちになると指摘している。海外減速の影響で日本の成長も緩やかになるとみている。

中国の18、19年の成長率は9月からそれぞれ0.1ポイント引き下げ、6.6%、6.3%と予測。ユーロ圏もそれぞれ0.1ポイント低い1.9%、1.8%とした。米国は底堅いとみて変えなかったが、米国以外の減速が顕在化し始めている。

要因として主に貿易額の伸び鈍化と先進国の金融政策の引き締めを背景に、世界の成長が鈍くなりつつあると説明。特に貿易摩擦による関税の引き上げは、企業が世界に持つ付加価値網や雇用を阻害する可能性があるとの懸念を示した。

OECDが強調したのは「先行きには陰りが見え始めている」。大きな一因が貿易摩擦だ。複数のシナリオを検討したところ、米中が互いに全輸入品に制裁関税をかけ市場不安などが広がる最悪ケースで、21年にかけて米国のGDPを1.1ポイント、中国は1.3ポイント程度下げる。世界には0.8ポイントの下押し圧力がかかる。

OECDは世界の貿易額の実質伸び率が17年の5.2%から18年以降は3%台になると予測。貿易摩擦激化で「企業の投資計画などに不確実性を生み出す」と警告した。

もう一つは新興国経済の行方だ。中国は7~9月期のGDPが前年同期比6.5%増と前期比0.2ポイント鈍化。高成長だが減速は鮮明だ。トルコやアルゼンチンなどは米連邦準備理事会(FRB)の利上げの影響で資金流出が起き、需要が縮小。英国離脱を控える欧州連合(EU)やイラン問題などを抱える中東も、地政学リスクとして世界経済に影響を与えかねない。

足元の世界経済は好調な米国が下支えしているが、こうしたリスク要因などを背景に、20年から米国の成長ペースも鈍化する見通し。OECDは20年の予測を初めて示し、米国は19年より0.6ポイント下落の2.1%、中国も0.3ポイント減の6.0%とした。担当者は「減速が著しいのが米中の2カ国」と語る。

日本については世界貿易の成長が鈍化する中で輸出が停滞していると指摘。19年は1.0%と、9月時点の予測より0.2ポイント引き下げた。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長が「輸出がけん引する形での成長は見込めないが、国内の設備投資はなお強く、日本の景気は徐々に減速する」とみる。

OECDによると、18年は相次ぐ自然災害の影響を踏まえ、9月時点より0.3ポイント下げて0.9%と予測。20年については、19年10月の消費税増税後に消費が減退し、0.7%成長とした。

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