初・再診料を数十円引き上げへ、19年の消費増税で 厚労省
厚生労働省は21日、2019年10月の消費税増税にあわせ、医療機関を受診した患者が支払う初・再診料を引き上げると決めた。値上げ額は18年度末までに決まるが、10~数十円になる見通し。医療機関が受け取る診療報酬は非課税だが、医療機器などの仕入れには消費税がかかる。患者の窓口負担を引き上げて増税分を賄えるようにする。
同日開いた中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)で了承された。
現在の初診料は2820円、2回目以降の診察にかかる再診料が720円。これを10~数十円ずつ値上げする。実際に患者が窓口で支払う金額はこのうち1~3割になる。14年4月に消費税率を8%に引き上げた際は初診料を120円、再診料を30円それぞれ引き上げた。
医療費は非課税で、医療機関にとって消費税の引き上げは仕入れの負担増になる。そこで公定価格である診療報酬を引き上げ、増税による持ち出しを賄う対応が取られてきた。
ただ持ち出し分を補いきれないことも多いとされ、医療界は問題視している。厚労省は精緻に補填するため、従来より初・再診料の上乗せを抑え、入院基本料の上乗せを増やす方針だ。
それでも個別の医療機関で補填の過不足は残るうえ、患者の理解も広がっていない。同日の中医協では「診療報酬で対応するのは限界」(健康保険組合連合会の幸野庄司理事)との指摘が相次いだ。
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