勝利のメンタリティー(山本昌邦)

フォローする

秋がもたらす選手のパフォーマンスの輝き

(1/3ページ)
2018/11/23 6:30
保存
共有
印刷
その他

「スポーツの秋」というけれど、サッカーという競技に最適な時期も秋だなということをJリーグの今シーズンの終わりが近づいて、つくづく感じている。この時期のJリーグは良質のプレーが詰まった素晴らしい試合にお目にかかることが本当に多い。躍動感あふれる選手の動きから「実りの秋」という言葉を連想するほどだ。

ルヴァン杯決勝で横浜Mを破り、初優勝した湘南の選手ら=共同

ルヴァン杯決勝で横浜Mを破り、初優勝した湘南の選手ら=共同

たとえば、横浜Mを下し、湘南が悲願の初優勝を成し遂げた10月27日のYBCルヴァン・カップ決勝がそうだった。スタイルは違えども、どちらも相手に厳しくプレッシャーをかけて、マイボールにしたら味方があちこちから湧き出てアグレッシブに攻め込むチーム。そういう持ち味を当日の気温20.7度という埼玉スタジアムの爽やかな気象条件が後押ししたのは間違いなかった。

秋深まるにつれ見応えある試合増

今季の明治安田生命J1リーグは2節を残して川崎が11月10日に2連覇を決めたが、このチャンピオンにしてもパフォーマンスは秋以降の方が断然よかった。夏場はどうしても相手のプレッシャーの甘さもあり、疲れを知らないボールの方を動かしていたが、秋風とともに人も動くようになって、一気のラストスパートで広島を抜き去った。

秋のパフォーマンスの輝きはJ2も同様だ。

11月17日の最終節で劇的な初優勝を飾った松本も涼しくなって調子をぐいぐい上げてきた。反町監督が求めるものを確実に出せるようになったのだと思う。

暑さが和らげば、ボールを奪った後の守から攻、奪われた後の攻から守の切り替えを速くすることも、プレスに連続性を加えることも、相手陣内に進入するスピードを上げ、絡む人数を増やすこともストレートに表現できるようになる。人も走れてボールも動かせて、というプレーのクオリティーが高いチームが、着実に勝ち点を積み上げていく条件が整うわけである。

優勝でJ1昇格を決め、喜ぶ松本のイレブン=共同

優勝でJ1昇格を決め、喜ぶ松本のイレブン=共同

そういう意味で本当に残念なのは、J2の場合、J1参入プレーオフに回る横浜FC、大宮、東京V、天皇杯で4強に勝ち残っている山形以外のクラブは、このタイミングでもう今シーズンが終わってしまったことである。練習はあるにしても、気持ちの上では一足早く"冬休み"に入ったようなもの。若くて伸び盛りの選手は特に消化不良の感があるのではないか。

夏場のJリーグは選手にとって過酷な環境であるにもかかわらず、夏休みのかき入れ時ということもあって、そこに試合が集中する。当然、選手の動きは鈍く、パフォーマンスのレベルは低下するが、猛暑酷暑という条件を考えると一概に選手を責めるわけにもいかない。選手は決して手を抜いているわけではない。走りたくても走れない、動きたくても動けないというのが実情だろう。

夏から秋へ季節が移りゆくにつれ、選手のパフォーマンスは右肩上がりに上昇する。9月、10月、11月になると、Jリーグに見応えのある試合がどんどん増える。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

サッカーコラム

関連キーワード

電子版トップスポーツトップ

勝利のメンタリティー(山本昌邦) 一覧

フォローする
オランダでの強化試合は2試合ともに対戦相手も日本もコンディションが良く、W杯のように高い強度で行うことができた(ゲッティ=共同)ゲッティ共同

 新型コロナウイルスの脅威がいまだ衰えない中で、サッカー日本代表が10月9日と13日に、オランダのユトレヒトで強化試合を行った。今回は代表史上初めて欧州組だけでチームを編成、強化と感染予防を両立させ、 …続き (10/22)

夢フィールドでのU―19日本代表候補合宿で練習を見守る内田氏(中央)=共同共同

 Jリーグの鹿島を引退したばかりの内田篤人氏(32)が日本サッカー協会(JFA)から「ロールモデルコーチ」に任命された。9月13日に発表されたこの一件、代表選手の経験を後に続く世代に還元するための方策 …続き (9/24)

川崎の大卒ルーキー・三笘はC大阪相手に、公式戦5試合連続ゴールを決めた=共同共同

 コロナ禍の各地のサッカーリーグを見ながら、とにかく得点力に優れることの頼もしさを痛感している。ドイツ・ブンデスリーガを制したバイエルン・ミュンヘンしかり、明治安田生命J1リーグを独走する川崎の破格の …続き (8/23)

ハイライト・スポーツ

[PR]