2019年5月22日(水)

勝利のメンタリティー(山本昌邦)

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秋がもたらす選手のパフォーマンスの輝き

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2018/11/23 6:30
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「スポーツの秋」というけれど、サッカーという競技に最適な時期も秋だなということをJリーグの今シーズンの終わりが近づいて、つくづく感じている。この時期のJリーグは良質のプレーが詰まった素晴らしい試合にお目にかかることが本当に多い。躍動感あふれる選手の動きから「実りの秋」という言葉を連想するほどだ。

ルヴァン杯決勝で横浜Mを破り、初優勝した湘南の選手ら=共同

ルヴァン杯決勝で横浜Mを破り、初優勝した湘南の選手ら=共同

たとえば、横浜Mを下し、湘南が悲願の初優勝を成し遂げた10月27日のYBCルヴァン・カップ決勝がそうだった。スタイルは違えども、どちらも相手に厳しくプレッシャーをかけて、マイボールにしたら味方があちこちから湧き出てアグレッシブに攻め込むチーム。そういう持ち味を当日の気温20.7度という埼玉スタジアムの爽やかな気象条件が後押ししたのは間違いなかった。

秋深まるにつれ見応えある試合増

今季の明治安田生命J1リーグは2節を残して川崎が11月10日に2連覇を決めたが、このチャンピオンにしてもパフォーマンスは秋以降の方が断然よかった。夏場はどうしても相手のプレッシャーの甘さもあり、疲れを知らないボールの方を動かしていたが、秋風とともに人も動くようになって、一気のラストスパートで広島を抜き去った。

秋のパフォーマンスの輝きはJ2も同様だ。

11月17日の最終節で劇的な初優勝を飾った松本も涼しくなって調子をぐいぐい上げてきた。反町監督が求めるものを確実に出せるようになったのだと思う。

暑さが和らげば、ボールを奪った後の守から攻、奪われた後の攻から守の切り替えを速くすることも、プレスに連続性を加えることも、相手陣内に進入するスピードを上げ、絡む人数を増やすこともストレートに表現できるようになる。人も走れてボールも動かせて、というプレーのクオリティーが高いチームが、着実に勝ち点を積み上げていく条件が整うわけである。

優勝でJ1昇格を決め、喜ぶ松本のイレブン=共同

優勝でJ1昇格を決め、喜ぶ松本のイレブン=共同

そういう意味で本当に残念なのは、J2の場合、J1参入プレーオフに回る横浜FC、大宮、東京V、天皇杯で4強に勝ち残っている山形以外のクラブは、このタイミングでもう今シーズンが終わってしまったことである。練習はあるにしても、気持ちの上では一足早く"冬休み"に入ったようなもの。若くて伸び盛りの選手は特に消化不良の感があるのではないか。

夏場のJリーグは選手にとって過酷な環境であるにもかかわらず、夏休みのかき入れ時ということもあって、そこに試合が集中する。当然、選手の動きは鈍く、パフォーマンスのレベルは低下するが、猛暑酷暑という条件を考えると一概に選手を責めるわけにもいかない。選手は決して手を抜いているわけではない。走りたくても走れない、動きたくても動けないというのが実情だろう。

夏から秋へ季節が移りゆくにつれ、選手のパフォーマンスは右肩上がりに上昇する。9月、10月、11月になると、Jリーグに見応えのある試合がどんどん増える。

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