2019年7月22日(月)

イケてた?個性派音楽とベレー帽(平成のアルバム)
渋谷系

コラム(社会)
2018/11/24 6:30
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オープン当日のHMV渋谷店には長蛇の列ができた=ローソンエンタテインメント提供

オープン当日のHMV渋谷店には長蛇の列ができた=ローソンエンタテインメント提供

フリッパーズ・ギター、ピチカート・ファイヴ、カヒミ・カリィ――。1990年代前半、耳慣れないミュージシャンの曲が渋谷のレコード店でだけ爆発的に売れる不思議な現象が起きた。

急激に進んだ円高を背景に、輸入盤を扱う大小様々なレコード店が続々とオープン。「世界で最もレコードが集まる街」と言われた。中でも90年オープンのHMV渋谷店は無名だが洋楽好きが好みそうな日本人ミュージシャンを猛プッシュ。異例のセールスを記録し「渋谷系」の名は全国に広まった。

まだ日本のヒット曲がニューミュージックや歌謡曲と呼ばれていた時代。80年代に英国で流行したネオ・アコースティックや60~70年代のファンクやソウル、映画音楽まで取り込んだ渋谷系の楽曲は「個性」を求める当時の若者にとって他人と差別化できるファッションアイテムだった。曲中で使われた「元ネタ」の洋楽を紹介する本も出版され、輸入レコード店はレアな音源を探し回る若者であふれた。

一方で、外国映画のポスターを思わせるハイセンスなCDジャケットも注目を集め、ボーダーシャツにベレー帽の「オリーブ少女」が渋谷の街を闊歩(かっぽ)した。

90年代後半に入ると、安室奈美恵さんらの影響で渋谷は瞬く間に「ギャルの聖地」に。ブームは下火となり2010年にはHMV渋谷店も閉店した。

だが、14年に「HMVレコードショップ渋谷」が中古専門店として復活。16年のリオ・パラリンピックのセレモニーでピチカート・ファイヴの代表曲「東京は夜の七時」が使用されるなど再び注目を集めている。

渋谷系 1990年代、渋谷のレコード店を中心に人気があった音楽やファッションの総称。どのミュージシャンが渋谷系なのかは人によって定義が異なる。代表的なアーティストとされたオリジナル・ラブの田島貴男さんがライブで「おれは渋谷系じゃねえ」と叫んだ話は語り草。

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