2019年6月20日(木)

トランプ氏、サウジ皇太子擁護鮮明に 米議会は反発

2018/11/21 14:14
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【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は20日、サウジアラビア人記者の殺害にサウジ当局者が関与した事件をめぐって、事実上の最高権力者のムハンマド皇太子を擁護する姿勢を鮮明にした。関与を示す明確な証拠が明らかにならなければ「推定無罪」と判断し、経済や安全保障分野での協力を進める。一方、米議会では問題の幕引きを急ぐトランプ政権への与野党の批判が強まっている。

トランプ氏はサウジとの協力の必要性を強調した(20日、ワシントン)=AP

「彼は関与したかもしれないし、関与していないかもしれない。それが事実だ」。トランプ氏は20日、ホワイトハウスで記者団にムハンマド皇太子の事件への関与を裏付ける証拠がなかったと強調した。

サウジと協力関係を維持する判断は「米国第一(の外交方針)に基づくものだ」と説明。サウジが米企業から巨額の軍事装備品を購入し、米国内の雇用創出に貢献すると指摘した。原油高の抑制にもサウジの協力が不可欠だと強調した。

トランプ氏があくまで皇太子を擁護する背景には、イランを宿敵とみなすサウジの現体制の協力無しにはイランの封じ込めを目指す米国の中東政策が成り立たない事情もある。イランを敵視するイスラエル寄りの中東外交を展開するトランプ政権は今年、オバマ前政権時に結んだイラン核合意からの離脱を決め、同国への経済制裁を再開している。

一方、米議会ではムハンマド皇太子の関与を曖昧にするトランプ政権の姿勢への反発が強まっている。上院外交委員会で委員長を務める与党・共和党のコーカー議員と民主党のメネンデス議員は20日、トランプ氏に宛てた書簡で皇太子の関与の有無を明確にするための調査を要請した。両議員は人権侵害をした人物に制裁を科す法律に基づいて調査を求めており、米政権は120日以内に関与について判断する必要がある。

共和のルビオ上院議員は20日、ツイッターで「人権を守ることが米国にとっての国益だ」と指摘し、トランプ氏の姿勢を批判した。民主党のファインスタイン上院議員も同日、サウジへの武器輸出の承認に反対する考えを表明した。トランプ氏が重視する武器輸出には議会の承認が不可欠だ。議会で政権の対サウジ政策への反発がさらに広がれば、同国への巨額の武器輸出が宙に浮く可能性が高まる。

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