2018年12月10日(月)

トランプ氏、サウジ皇太子の関与断定せず 記者殺害で
「全容不明」「協力関係は揺るがず」

トランプ政権
中東・アフリカ
北米
2018/11/21 4:32 (2018/11/21 8:40更新)
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【ワシントン=中村亮】サウジアラビア人記者の殺害にサウジ政府が関与した事件について、トランプ米大統領は20日の声明で「全ての事実はわからないかもしれない」と説明し、サウジのムハンマド皇太子の関与を断定しなかった。「国益を守るために米国とサウジの協力関係は揺るがない」と強調し、事件をめぐり批判を浴びるサウジを擁護した。サウジに強硬な措置を求める米議会が反発する公算が大きい。

米主要メディアは米中央情報局(CIA)がサウジの事実上の最高権力者であるムハンマド皇太子が殺害を命じたと断定したと報じていたが、トランプ氏は記者団に「CIAから何も明確なことはなかった」と否定した。トランプ氏が20日までに受けるとしていた殺害事件の実行犯などに関する「包括的な報告」があったかは現時点で不明だ。

声明でも「ムハンマド皇太子は悲劇的な出来事を知っていたかもしれない。知らなかったかもしれない」と明確な判断を避けた。「事件はひどい犯罪だ」と非難しつつも「いかなる場合でも米国はサウジとともに歩んでいく」と強調していた。

米メディアによると、トランプ氏は20日、声明発表後にホワイトハウスで記者団に対し、11月末にアルゼンチンで開く20カ国・地域(G20)首脳会議にムハンマド皇太子が出席すれば会談する考えを示した。ムハンマド皇太子はG20に出席予定で、両氏が接触すれば記者殺害事件後では初めてとなる。

サウジと協力関係を維持する理由の一つに原油価格の安定をあげた。「サウジは合理的な水準に安定させてほしいという私の要望に応えて緊密に協力している」と説明。「世界にとっても重要なことだ」と訴えた。トランプ氏は12日に協調減産を模索する石油輸出国機構(OPEC)についてサウジを名指ししてけん制していたが、20日の声明では態度を軌道修正した。

ポンペオ米国務長官は20日、国務省内で殺害事件の現場となったトルコのチャブシオール外相と会談して事件への対応を協議した。ポンペオ氏は会談後の記者会見で「事実関係の確認に向けて最善をつくした」と述べ、捜査の長期化に慎重な姿勢を示した。一方、チャブシオール外相も別に記者会見を開いて「誰が殺害の背後にいるのか。誰が命令を下したのか」などと捜査を継続していく考えを強調。米国との温度差が目立った。

トランプ政権は15日、事件に関わったサウジ政府当局者17人に経済制裁を科した。10月下旬にも実行犯を対象に査証(ビザ)を取り消す措置も講じていた。だが議会では駐米サウジ大使の国外追放や武器輸出停止などの強硬策を求める声が目立っていた。

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