2018年12月10日(月)

ダライ・ラマ「共存共栄、中国の知識人から賛同」
都内で講演、亡命政府への敵視に批判にじます

中国・台湾
東南アジア
2018/11/20 15:19
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チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は20日、東京都内で講演し、ダライ・ラマ側を中国からの独立を狙う「分裂主義者」と敵視する中国政府を批判した。「中国からの独立を求めずに共存共栄を探る(チベット亡命政府の)方法について、中国の知識人の間で多くの賛同が得られている」と語った。来日は2016年11月以来2年ぶり。

都内で講演したダライ・ラマ14世(20日)

ダライ・ラマは「チベット族は中国にとどまることで経済的な利益を受けられる。一方で仏教を通じて精神的に(中国の多数を占める)漢民族に利益をもたらせる」と強調した。「中国の報道などを見ても、独立ではなく中道を探る私たちの方法が多くの中国人から賛同を得られていることが分かる」と述べた。

一方で「チベットは中国とは異なる言語と文化を持つため、中国の強硬派はチベット側が独立を図るのでないかという考えに基づき、チベット族に抑圧を加えてきた」と説明。「中国では知識と教養を備えた方々が増加している。中国共産党が取る態度が正しくないと考える中国人がますます増えている」と語った。

ダライ・ラマは中国人民解放軍がチベットに進駐し、チベット住民が蜂起した1959年にインドに亡命した。74年以降はチベットの独立ではなく、「高度な自治」を中国政府に要求しているが、中国側は警戒をゆるめていない。

中国外務省の耿爽副報道局長は20日の記者会見で、ダライ・ラマが東京都内で講演したことについて「彼の反中分裂活動を支持したり便宜を提供したりすべきではない」と反発した。

ダライ・ラマは講演で地球環境問題にも言及。標高の高いチベットの高原は環境変化の影響を受けやすいとして、ダライ・ラマは「中国を含む国々に環境調査での連携をお願いしている」と述べた。ただし「その際には酸素ボンベが必要だ」とユーモアたっぷりに語り、会場の笑いを誘った。

「人と会うときは笑顔で対応する。そうすると友人が増えていく」と、自身のモットーにも触れた。日本人は真面目な性格の人が多いとして、「難しい顔をした日本人を見たら、後ろからくすぐってみようかなと思う」と、ジョークを飛ばす場面もあった。

講演はチベットを支持する超党派の有志議員がつくる団体が議員会館で開いた。

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