モルディブ、対中FTA見直し 新政権幹部が表明

2018/11/20 8:56
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【ニューデリー=黒沼勇史】インド洋の島国モルディブは2017年12月に中国と交わした自由貿易協定(FTA)を見直す方針だ。17日に就任した親インド派のイブラヒム・モハメド・ソリ大統領の参謀役で、与党モルディブ民主党(MDP)党首のモハメド・ナシード元大統領がロイター通信に「対中貿易の不均衡が非常に大きい。(対中FTAを)維持できない」などと指摘した。

モルディブの対中貿易は大幅な輸入超過だ(1月、首都マレ付近のリゾート島)

モルディブは中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」に組み込まれていたが、距離を置く動きを見せ始めた。

9月のモルディブ大統領選では、ソリ氏が親中派の現職(当時)アブドラ・ヤミーン氏に勝利。ナシード氏はかねて、ヤミーン前政権下で進んだ対中接近の解消や対中債務の圧縮を進める方針を示していた。ナシード氏は「中国は我々から何も買わない。一方通行の協定だ」と述べ、対中FTAに不満を表明した。

国連統計によると、17年の中国からモルディブへの輸出額は2億9500万ドル(約332億円)だったが、モルディブから中国への輸出額は62万ドルにすぎない。

ヤミーン前政権は中国とFTAを締結。政治基盤強化のため、中国から資金を借りて橋梁や宅地開発などを進めた。

ナシード氏は11月初旬、記者団に「(モルディブの)対中債務は30億ドル。(ソリ氏の)新政権は国の発展と同時に債務を返済していく」と述べた。だが、モルディブ経済は観光面でも中国への依存度が高く、軌道修正には曲折もありそうだ。

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