2018年12月10日(月)

EU、離脱再交渉応じず 英の修正論けん制

Brexit
ヨーロッパ
2018/11/20 2:00
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【ブリュッセル=森本学】英国を除く欧州連合(EU)の加盟27カ国は19日、外相らEU担当閣僚による総務理事会の臨時会合を開き、英国との離脱協定案を巡り本格的な再交渉に応じない構えで一致した。2020年末までの離脱移行期間の延長期限も近く結論を出す方針を確認した。英国の強硬離脱派は協定案に反発を強めており、25日の緊急EU首脳会議に向けて駆け引きが続きそうだ。

理事会ではEUのバルニエ首席交渉官が英側と交渉官レベルで暫定合意した離脱協定案などを報告した。バルニエ氏は理事会後の記者会見で「全27カ国の閣僚から支援を得られた」と語った。

離脱協定案を巡ってはメイ英政権が閣議了承したものの、与党・保守党が猛反発。事態収拾へ閣内でもゴーブ環境相らが修正のための交渉をEUに求める動きが出ている。だが総務理事会に出席した加盟国からは「実現可能な中で最良の案だ」(ルクセンブルクのアッセルボルン外相)との声が続出。再修正には応じず、緊急首脳会議で正式合意を目指す方針を確認した。

EU側は再交渉の道筋を封じることで、「協定案の承認か、EUとの合意なし離脱か」の二者択一を英議会に迫るメイ氏を側面支援する思惑もにじむ。アルトマイヤー独経済相は19日、再交渉に応じないことが「メイ首相が(協定案を)議会で成立させるのを後押しする」と語った。

EU27カ国は緊急首脳会議に向けて、移行期間の延長など残された論点の決着を急ぐ。移行期間は離脱後も20年末まで英国をEUの単一市場や関税同盟に残し、環境の激変を避ける措置。協定案では移行期間を一回限り延長できるとしたが、いつまで延長を認めるかは空欄となっていた。

EU内には22年末まで延長を認める代わりに、英側に財政負担も求める案が浮上している。一方、英の強硬離脱派には22年までに予定される総選挙の前に移行を終えるべきだとの意見も強く、今後の焦点となりそうだ。

理事会では、離脱後の英・EUの通商協定など将来関係の大枠を示す「政治宣言」の25日採択に向けた調整も本格化させた。EU側が自由貿易協定(FTA)の締結を軸に据えるのに対し、メイ首相はFTAよりも深い関係を築き「摩擦のない貿易」を実現すると主張している。

EU側は19年3月の英離脱後に将来像の本格議論を先送りしたい考えだが、英議会は詳細な将来像を示すようメイ政権に要求。政治宣言の内容は、離脱協定案の英議会承認にも影響する。

メイ首相は週内にEUのユンケル欧州委員長を訪ね、打開策を探る方針だ。19日にはロンドンで演説し、離脱交渉は「まだ最終決着ではない」と強調。政治宣言に英国の主張を反映させることで、国内の反発を和らげる方法を探る考えを示した。

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