2018年12月19日(水)

自民国防族、実務派が台頭 防衛大綱でNSCと連携

日本の守り
政治
2018/11/20 2:00
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12月中旬に閣議決定する防衛計画の大綱(防衛大綱)の見直し論議で、防衛政策に影響力を持つ自民党国防族の実務派が台頭してきた。関係省庁を束ねる国家安全保障会議(NSC)と緊密に連携している。ベテラン勢とあわせ、重層的な広がりをみせている。

16日、国会内で開いた防衛大綱に関する与党WTの初会合

16日、国会内で開いた防衛大綱に関する与党WTの初会合

自民、公明両党は20日、防衛大綱見直しに向けたワーキングチーム(WT)の2回目会合を開き、議論を本格化させる。WT座長は実務派の代表格、自民党の小野寺五典安全保障調査会長だ。

防衛政策にかかわる自民党の主要ポストには、小野寺氏が10月まで防衛相を務めたときの副大臣と政務官が並んでいる。

国防部会長の山本朋広氏は副大臣だった。安保調査会の事務局長も兼ねている。山本氏は神奈川県が地元で、菅義偉官房長官に近いとされる。国防部会長代理の福田達夫氏は政務官を務めた。山本、福田両氏は政務三役になるまで防衛政策に深く関わっていなかった。

政府側の司令塔は2013年12月に発足したNSCだ。事務局は外務、防衛両省を中心に約70人で構成する国家安全保障局が担っている。同局は14年に発足した。前回の大綱見直し時は立ち上がっていなかった。

陸海空の各自衛隊からの意見も踏まえて必要な体制や装備品のあり方を検討しているのは防衛省で、それは従来と変わりない。ただ、外務省や財務省などと調整し、とりまとめるのは国家安保局だ。

NSCは「4大臣会合」で議論を進めている。首相、官房長官、外相、防衛相による枠組みだ。

小野寺氏は直近まで閣僚として4大臣会合のメンバー。小野寺氏以外の2人も防衛省の政務三役として最新の機密情報に接することが可能だった。NSCの議論を把握しながら、与党内の調整を進められる。それが防衛族で実務派が台頭してきた背景の一つだ。

自民党では防衛省と連携する国防族が防衛政策の決定に関与してきた。最近では中谷元氏や浜田靖一氏らが中心だ。

中谷氏も与党WTのメンバーの一人だ。5月に党安保調査会長としてまとめた提言では、北大西洋条約機構(NATO)が各国に国内総生産(GDP)比2%の国防費の確保を求めていることを参考に予算を拡充するよう求めた。

浜田氏は30年代に導入するF2戦闘機の後継機開発に向けた自民党研究会の会長を務めている。20年度までに国内企業が主導する形で開発に着手すべきだと、政府に提言する考えだ。

9月の自民党総裁選で首相と争った石破茂氏も国防族のベテランだが、いまは防衛大綱の見直しに直接関わるポストに就いていない。官邸と連動する実務派と、防衛省に影響力を持つベテラン。国防族は従来よりも厚みを増してきた。

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