2019年3月20日(水)

ゴーン会長ら逮捕 約50億円の報酬過少申告の疑い

2018/11/19 19:53 (2018/11/19 22:30更新)
保存
共有
印刷
その他

東京地検特捜部は19日、仏ルノー・日産自動車三菱自動車の会長を兼務するカルロス・ゴーン容疑者(64)を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。報酬を約50億円過少申告した疑い。日産は同日、「複数の重大な不正行為」があったとして、同会長らの解任を取締役会で提案すると発表した。販売台数で世界2位を誇る3社連合を率いてきたカリスマ経営者の逮捕は、グループの経営や体制に大きな打撃を与えそうだ。

カルロス・ゴーン氏

特捜部によると、2015年3月期までの5年間で、実際にはゴーン会長の報酬が計約99億9800万円だったのに、計約49億8700万円だったとの虚偽の記載をした有価証券報告書を、5回にわたり関東財務局に提出した疑い。日産の代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)も同容疑で逮捕した。2人の認否は明らかにしていない。

特捜部は19日、関係先として横浜市の日産本社などを家宅捜索した。

関係者によると、オランダに設立された日産子会社が海外の高級住宅などを複数購入し、ゴーン会長は賃料を支払わずに無償で利用していた疑いがある。こうした利益供与が実質的な報酬に当たる可能性があるとして、日産の関係者が特捜部に相談していたという。

有価証券報告書の虚偽記載は粉飾決算に適用されることが多く、役員報酬の過少申告への適用は異例。罰則は10年以下の懲役か1千万円以下の罰金、またはその両方。法人は7億円以下の罰金と定められている。

日産の西川広人社長は19日夜の記者会見で、ゴーン会長の主な不正行為として(1)実際の報酬よりも少ない額を有価証券報告書に記載した(2)私的な目的で投資資金を支出した(3)私的な目的で経費を支出した――の3点が確認されたと述べた。

日産は同日、ゴーン会長らの不正行為について内部通報があり、数カ月間にわたって内部調査を行っていたことを明らかにした。ケリー役員もこうした不正行為に深く関与していたという。

日産は「これまで検察当局に情報を提供するとともに捜査に全面的に協力してきた。今後も協力していく」「株主をはじめとする関係者に多大な迷惑と心配をおかけすることを深くおわび申し上げます」などとするコメントを発表した。

各社の有価証券報告書などによると、ゴーン会長は17年度、日産から7億3500万円、三菱自から2億2700万円、ルノーから740万ユーロ(約9億5千万円)の報酬を受けたとされている。

ゴーン会長は1954年にブラジルで生まれ、ブラジルミシュラン社長、北米ミシュラン社長を経て、96年にルノーの副社長に就任。99年、経営危機に陥っていた日産の筆頭株主になったルノーから日産に派遣された。

99年10月、3年間で1兆円のコスト削減などを柱とする日産リバイバルプランを公表し、その後、日産の業績はV字回復。2000年に同社社長に就き、01~17年、最高経営責任者(CEO)を務めた。

ケリー役員は法務部門に詳しく、ゴーン会長の側近とされる。弁護士を経て1988年に北米日産に入社。2008年に日産の執行役員に就き、15年2月に代表取締役に就任した。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報