「支援者に心のケアを」 西日本豪雨で心理学シンポ
日本心理学会が18日、西日本豪雨に関するシンポジウムを広島市で開催した。ストレスケアを研究する筑波大の松井豊教授(社会心理学)らが、自治体職員らに今後、ストレス反応が現れる可能性があると指摘し「支援者の心のケアも怠らないで」と訴えた。

松井教授は、悲惨な災害や事件、事故などの現場に直面した被災者が当時のことを何度も思い出して苦しむ「惨事ストレス」や、身近な人を亡くして生き残ったことに罪悪感や無力感を抱く心理について説明。救援や支援に当たった消防や警察、自治体職員の場合は、遅れて気分が落ち込むことがあるとした。
松井教授は「東日本大震災では発生からしばらくして自治体職員の退職が相次いだ。西日本豪雨の被災地でも同様のケースが起こり得るため、心のケアを怠らないでほしい」と強調した。
広島県教育委員会スクールカウンセラーの中原元気さんは、被災した子どもにみられる不眠や子ども返りはショックを受けた際の自然な反応と説明。過度に心配せず、安心して日常生活を送ることができる環境をつくるよう呼び掛けた。〔共同〕