技能実習生の失踪動機「低賃金」67% 法務省調査
月給「10万円以下」が過半

2018/11/18 15:56
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外国人技能実習生の失踪問題に関する法務省の調査結果によると、実習先から失踪した外国人技能実習生のうち、7割弱が動機として「低賃金」を挙げている。月給についても半数以上が「10万円以下」と回答した。安価な労働力として外国人実習生に依存している実態が改めて浮き彫りになった。政府は適正な給与水準を雇用者に徹底する構えだ。

衆院法務委で答弁する山下法相(13日午前)=共同

技能実習生の失踪は昨年が7089人、今年に入っては6月までで4279人となっている。法務省は16日の衆院法務委員会の理事懇談会で、昨年12月までに失踪し、その後、出入国管理・難民認定法違反などの容疑で摘発された実習生を対象に失踪動機などを聞き取った「聴取票」の結果を公表した。

人数は2870人で、国籍別では中国、ベトナム、インドネシアなどの順になっている。失踪動機(複数回答)は「低賃金」が67.2%で最も多く、以下、「実習後も稼働したい」が17.8%、「指導が厳しい」が12.6%、「労働時間が長い」が7.1%、「暴力を受けた」が4.9%などとなっている。

実習先での月給については「10万円以下」が半数以上の1627人、「10万円超~15万円以下」は1037人で、15万円以下が9割以上を占めた。

政府が16日に国会に示した新たな在留資格による外国人の受け入れ人数の積算根拠では、14業種のうち、多くが技能実習生からの移行を期待して推計したことも明らかになった。それだけに、技能実習制度が抱える賃金水準などの課題は、新たな外国人受け入れの根幹を揺るがすことにつながりかねない。

技能実習制度や新たな資格「特定技能」は、受け入れ企業に日本人と同等またはそれ以上の待遇を義務付けている。政府には来春からの受け入れで、企業にこうしたルールの順守を徹底させることが求められる。さらに、ルールを守ってもなお残る賃金面の不満を解決して優秀な外国人を確保するには、特定技能が対象とする14分野の業界としての賃金水準底上げを促せるかどうかもカギを握りそうだ。

日本と同様、移民には慎重な韓国では、外国人労働者に対しては韓国人と同じ労働条件や韓国語の習得機会の整備などを国の管理で徹底しており、国際労働機関(ILO)もこうした点を評価している。

葉梨康弘衆院法務委員長は16日、技能実習生をめぐる法務省のデータの誤りについては「技能実習制度の評価を180度変える必要はないミスであるなら、法案の審議を続けて議論を尽くすべきだ」と述べた。法務省幹部は「ミスは厳正に正すべきだ。ただ、依然として技能実習生の賃金水準に課題があることには変わりない」と話す。

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