サウジ記者、遺体不明のまま葬儀 イスタンブールで - 日本経済新聞
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サウジ記者、遺体不明のまま葬儀 イスタンブールで

【イスタンブール=佐野彰洋】サウジアラビア人の著名記者ジャマル・カショギ氏が殺害された事件で16日、トルコの最大都市イスタンブールのモスク(イスラム教礼拝所)でカショギ氏の葬儀が執り行われた。同氏の遺体は見つかっておらず、ひつぎを安置する台は空のまま参列者は故人に別れを告げた。

エルドアン大統領の顧問で、カショギ氏と親交のあったヤシン・アクタイ氏は「我々は誰が真の殺人者か、誰が命じたのか問い続ける」と強調した。

中東の衛星テレビ局アルジャズィーラによると、カショギ氏の葬儀は同日、イスラム教の二大聖地であるサウジのメッカとメディナでも行われた。

サウジ政府を批判してきたカショギ氏は10月2日、結婚手続きのため訪れたイスタンブールのサウジ総領事館で殺害された。

サウジのモジェブ検事総長は11月15日、容疑者21人のうち11人を起訴し、5人に死刑を求めると発表した。サウジ側は殺害後に遺体を切断しトルコの協力者に引き渡したと説明しているが、現在どこにあるかは分からないとしている。

殺害の計画性や作戦の大規模さから、サウジの事実上の最高実力者であるムハンマド皇太子の指示があったとの見方が国際社会で広がるが、サウジ政府は否定。トルコが求める国際捜査の受け入れも拒んでいる。イスタンブールの葬儀では、皇太子を「殺人者」と非難するポスターを掲げる参列者もいた。

トルコ紙ヒュリエットは16日、殺害時のものとは別に、カショギ氏の来館直前に実行犯が殺害を謀議する音声記録が存在すると報じた。殺害後に実行犯がかけた国際電話の記録も握っているという。メディアを通じて新たな証拠の存在を示すことで、事件の早期幕引きを図るサウジ側に圧力をかけている。

一方、米NBCテレビは15日、サウジの後ろ盾であるトランプ政権がトルコの圧力を和らげるため在米イスラム教指導者ギュレン師の国外退去やトルコへの送還を検討していると報じた。トルコは2016年のクーデター未遂事件の首謀者だとしてギュレン師の送還を要求しているが、米側は応じていない。

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