小水力発電活用のモビリティー実証実験始動、エリス・津山市など
自然エネルギー事業のエリス(岡山市)と岡山県北部の津山市、JAつやま(津山市)による小水力発電の電力を、小型電気自動車(EV)に活用するモデル事業が始動した。エリスは16日、同市北部の加茂町地区のキャンプ場内に建設を進めてきた発電施設の落成式を行った。エネルギーの地産地消を通じて、地域住民の足の確保や環境負荷低減につなげる考えだ。

エリスが新設したマイクロ水力発電施設は、JAつやまが所有する小水力発電施設の放流水を活用。長崎大学工学部、流体技術の研究を手掛ける西日本流体技研(長崎県佐世保市)と共同開発した高い発電効率の水車を搭載している。最大出力は一般家庭2世帯分の年間消費電力に相当する500ワットで、総事業費は約1000万円。

津山市はトヨタ車体の小型EV「コムス」を26台導入しており、早ければ2019年春にも本格的な実証実験が始まる見込み。水力発電施設は24時間稼働のため蓄電装置が必要なく、同程度の最大出力の太陽光発電と比べてコストを半分程度に抑えられるとしている。災害時の非常用電源としての活用も見込む。
3者は16年2月に協定を結んでいた。エリスの桑原順社長は「中山間地域では給油所の空白地帯が増えており、代替モデルとして確立させたい」と意気込んだ。
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