【広州=川上尚志】中国の広東省広州市で16日、自動車の国際展示会「広州国際汽車展覧会(広州モーターショー)」が開幕した。2019年1月から一定割合の電気自動車(EV)生産を義務付ける新規制が始まるのを前に、ホンダは中国専用のEVを披露。トヨタ自動車や日産自動車はインターネットに接続できる「コネクテッドカー(つながる車)」をアピールした。
ホンダは中国専用のEV「理念VE―1」を18年12月から生産すると発表した。中国では生産・輸入の台数に応じてEVなどの「新エネルギー車(NEV)」を一定割合で生産することを義務付ける新規制の導入が、直前に迫っている。EVの発売元となる合弁先の広汽ホンダ幹部は「電動化戦略を加速させる」と強調。急拡大が見込まれるEV市場への参入体制を整える。
EVでは現地市場で先行する現地メーカーの比亜迪(BYD)や北京汽車集団も新型車を発表した。
一方、日産自動車は中国で発売する主力セダン「アルティマ」の新モデルを発表した。合弁会社の東風日産から今後発売する。コネクテッドの機能を備え、中国インターネット大手、アリババ集団の技術を使うことで「音楽やオンライン決済、交通案内などのサービスを実現した」(東風日産)という。
トヨタ自動車は今回のショーで、世界で販売する主力車「カローラ」のセダンタイプを世界初公開した。まず19年春に米国や欧州で販売を始め、中国など世界の150以上の国・地域で順次発売する。このうち90以上の国・地域でハイブリッド車(HV)も販売する。つながる車の技術を搭載し、ネット決済や緊急車両手配などのサービスを利用できるようにする。
中国の新車販売台数は7月から4カ月連続で前年実績を下回り、18年通年もマイナスとなる公算が大きい。ただトヨタで中国事業を担当する小林一弘専務役員は「18年の年間販売台数は史上最高の140万台を超える見込みだ」と強気の姿勢を示した。