岐阜市で2例目豚コレラ 畜産公園、県21頭殺処分
岐阜県は16日、岐阜市椿洞の「岐阜市畜産センター公園」の豚2頭から遺伝子検査の結果、豚コレラの陽性反応が出たと発表した。同市の養豚場で9月、国内で1992年以来となる感染が確認されており、2例目となる。園内では23頭が飼育されており、県は残りの21頭も殺処分した。

公園から半径3~10キロを搬出制限区域に設定し、該当する県内の8養豚場は豚や豚肉などの区域外への移動が禁止された。吉川貴盛農相は16日の記者会見で、感染拡大の要因となるイノシシの養豚場への侵入防止を徹底するよう全都道府県に要請したと明らかにした。
農林水産省は1例目が発生した際、豚の肉や皮の輸出を停止した。その後、個別の交渉で輸出を再開した国については原則、停止措置は取らない方針。
日本は豚コレラのウイルス撲滅状態を指す「清浄国」になる手続きを12月にも行う予定だったが2例目の発生により、清浄国に復帰できるのは最短で来年2月となる見通し。
県によると、15日午後2時40分ごろ、市の獣医師が県に「豚1頭の元気がなく、発熱もある」と通報。16日未明の県の遺伝子検査で付近にいた別の豚1頭を含む計2頭が陽性と分かり、午前4時半ごろから殺処分を行った。
県内ではこれまでに49頭の野生イノシシの感染が確認されている。うち2頭は9月下旬、園内で見つかり、10月8日に体調不良の豚も出たがその時点で異常は確認されなかった。公園周辺はイノシシの侵入を防ぐため柵が設置されていた。
公園は豚コレラが発生した養豚場から約8キロ北西にあり、牛や豚、鶏などを飼育。来園者が見たり、触れたりすることができる。出荷もされ、今月12日が最後だった。当面、営業を見合わせる。
同市の養豚場では9月3日に豚1頭が死に、9日に陽性が確定した。農水省の疫学調査チームが感染源などを調べている。
豚コレラは豚やイノシシ特有の病気で人には感染せず、感染した豚の肉を食べても人体に影響しない。〔共同〕