2019年5月22日(水)

富士ゼロックス、安全性を高めた複合機を発売へ

2018/11/15 18:42
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富士ゼロックスは15日、複合機の新たな旗艦モデルとなる新製品を発表した。感覚的に使いやすいように画面の表示などを工夫したほか、セキュリティーも高めた。クラウドと連携した機能も使いやすくしている。安価な商品の販売を減らして収益性を改善する一方で、高価格帯の市場でシェア拡大を目指す。

富士ゼロックスの玉井光一社長は高価格帯の市場でシェア拡大を目指す

富士ゼロックスの複合機の新たな旗艦モデル

「なぜいま複合機かと思うかもしれないが、ユニークな製品を開発した」。富士ゼロックスの玉井光一社長は記者会見でこう述べた。玉井社長が強調したのはセキュリティーの強化だ。ネットワーク通信の安全対策や、ハードディスクの安全性向上などに取り組んだ。

新製品の「アペオスポートセブンシー/ドキュセンターセブンシー」シリーズは合計16種類で、15日から順次発売する。価格は本体だけで税別130~464万円。複数のクラウド上に保存したファイルの一括検索や、スマートフォン(スマホ)を通じた印刷指示などの機能がある。岡野正樹常務執行役員は「顧客の声を踏まえて既存のクラウドサービスなども使いやすくした」と話す。

富士ゼロックスは収益性の改善を進めている。18年4~9月期の売上高が4978億円と前年同期比6.5%減ったが、営業利益は433億円と63%増えた。低採算の製品の販売を縮小し、規模よりも利益を重視する方針に変えた。構造改革に加えて付加価値の高い新製品を投入し、価格競争から抜け出す構えだ。

親会社の富士フイルムホールディングスは1月末に、米事務機器大手ゼロックス買収を契機に富士ゼロックスの1万人削減計画を発表した。ゼロックス大株主の反対で買収計画は膠着し、両社はそれぞれ構造改革を進めている。富士ゼロックスは早期退職を募るほか、拠点を統廃合している。

富士ゼロックスは構造改革の一環として2019年3月末に国内外で2カ所の工場を閉鎖する。一つは韓国ソウル郊外の仁川市にある小型の複写機などを生産する工場。国内では子会社の富士ゼロックスマニュファクチュアリング(神奈川県海老名市)が、新潟県柏崎市にある商業印刷向け生産拠点を閉鎖する。

両拠点ともに生産量は少なく、他の工場で代替可能だという。複合機を量産する海外拠点は中国2カ所、ベトナム1カ所に集約する。玉井社長は会見で、今後も拠点を統廃合する可能性について「検討中」と述べた。

富士ゼロックスはアジア太平洋地域、ゼロックスは欧米で販売を担う。富士ゼロックスは新製品を当面、アジア太平洋地域で販売する計画だ。年間の販売台数は同地域で14万台をめざす。岡野氏は記者会見で新製品について「ゼロックスを通じて輸出するのも検討したい」と話した。

ゼロックス経営陣は営業地域のすみ分けを定める契約を期限の21年以降、更新しない考えを示している。富士ゼロックスに正式に通告しているわけではないが、実行すれば富士ゼロックスは自ら欧米で販売する必要がある。富士フイルム側は提携解消を「現実的ではない」と主張している。

玉井社長はゼロックスとの関係について「むしろ連携は深まった」と話した。富士ゼロックスは設立当初、ゼロックスの販売拠点という位置づけだった。現在は主力の製品を富士ゼロックスが開発しており、立場が逆転している。富士ゼロックスの新たな旗艦モデルは、富士フイルムとゼロックスの今後の関係に一石を投じる可能性もある。

(清水孝輔)

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