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川崎発で「熟成魚」を販売 産官学連携で商品化

川崎北部市場水産仲卸協同組合(北水協、川崎市)は15日、鮮魚を3週間程度熟成させてうま味成分を増やした「熟成魚」の販売を始めた。明治大学農学部(川崎市)の村上周一郎教授とミートエポック(同)が共同開発した熟成肉の製造技術を魚に応用した。水産物卸売市場の取扱量が減少する中、川崎の産官学連携で熟成魚を新たなブランドとして確立することを目指す。

北水協の「発酵熟成熟鮮魚」はミートエポックの「エイジングシート」を使って鮮魚を熟成する。人体に無害なカビの胞子を付着させたシートを巻き付けることで、腐敗を防ぎながら短期間に熟成させることができる。20~25日間の熟成で「新鮮さを保ちながら熟成され、うま味成分を増した魚」になる。ミルクやナッツに似た独特な香りも特徴だ。

近年は牛肉のうま味を増した熟成肉の人気が高まっている。ただ、胞子を自然に付着させる通常の方法では熟成まで100日程度かかり、カビの増殖が不安定で劣化や腐敗のリスクがあった。エイジングシートを使えば牛肉を30日程度で熟成可能で、傷みやすい豚肉や鶏肉の熟成もできる。

2017年12月に明治大学と川崎信用金庫が開いた経営支援セミナーでエイジングシートを紹介したことをきっかけに、北水協とミートエポックの協業が実現し、鮮魚への応用に成功した。当面は飲食店チェーン向けのほか、ネット通販で一般消費者にも販売する。価格はメカジキ3個セット(1個80グラム)が1620円、本マグロの中トロ・赤身セット(500グラム)が9720円など。

北水協の種村誠二理事長は「魚種によっては熟成に向かないものもあるが、今後も研究を進めて種類を増やしたい。川崎だけでなく全国に普及すればうれしい」と説明。熟成後に冷凍も可能なことから「ゆくゆくは海外輸出も視野に入れたい」という。

にっぱん(東京・千代田)が展開する「寿司(すし)魚がし日本一 川崎店」など3店舗では15日から発酵熟成熟鮮魚を使った握りずしや刺し身、焼き魚の提供も始まった。養殖マグロの発酵熟成熟鮮魚を使った握りを、天然本マグロと同じ価格で提供する。

同日、川崎市中央卸売市場北部市場で開いた試食会で握りずしを試食した川崎市の福田紀彦市長は「うま味がすごく凝縮していて、養殖マグロとは思えない」と舌鼓を打っていた。

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