2019年1月22日(火)

プロペラ機の仏ATR、日本市場「25年までに100機」

自動車・機械
アジアBiz
2018/11/15 13:00
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仏リージョナル航空機大手のATRのステファノ・ボルテリ最高経営責任者(CEO)は15日、都内で記者会見し「2025年までに日本の地域航空向けのターボプロップ機需要は100機。その大部分を取りたい」と意欲を見せた。20年の東京五輪などで日本の観光市場は拡大中。地域間を結ぶ航空路線向けに、効率の良いプロペラ機の売り込みに余念がない。

航空機ファンで漫画家の松本零士氏が会見に駆けつけ、ATRのステファノ・ボルテリCEOにイラストを贈呈した(15日、都内)

ATRは欧州エアバスとイタリアのレオナルドが折半出資し、仏トゥールーズに本社を置く。タービンで生み出したエネルギーでプロペラを回転させるターボプロップエンジンを搭載した機体で、世界シェア75%を握る。日本では10月に日本エアコミューターに「ATR72―600」を納めた。

日本の観光産業の活性化に地域間航空の強化が避けて通れないのは事実。ボルテリ氏も「運航コストや環境負荷が小さいATRの機体は日本市場のニーズに最適だ」と強調する。小回りのきく「ATR42―600S」は滑走路800メートル以下の小規模空港同士を結びつける役回りを担える。「孤立した小さなコミュニティーを結び、地方への観光客を増やせる」(ボルテリ氏)

地方航空市場では2020年半ばに三菱航空機(愛知県豊山町)がリージョナルジェット機「MRJ」の初号機を納入する計画。ボルテリ氏は「ターボプロップはジェット機に比べ、燃料効率や信頼性、快適性で優れている。日本にとって良いソリューション」と優位性を強調した。

例えば、座席数が70席級のジェット機に比べ、ターボプロップ機は消費燃料を85%抑えられ、1飛行当たりコストも40%低いという。年間では1機当たり最大250万ドルのコストを削減できるとの試算を示した。

世界の航空機市場では座席数100席級の小型機市場で再編が進む。ボーイングはブラジルのエンブラエルと小型航空機で合弁会社を設ける一方、エアバスはカナダのボンバルディアの小型航空機「Cシリーズ」を買収し、「A220」に改称して商品ラインアップに加えた。

ATRにはエアバスグループが50%出資する。小型機再編の影響についてボルテリ氏は「ATRが得意とする市場とは異なる。直接の競合はなく、グループ内での食い合いもない」とした。

通称「Q400」で知られるライバルのボンバルディアは8日、ターボプロップ部門の売却と5000人の人員削減策を発表した。影響を問われたボルテリ氏は「私の表情から感じてほしい」と述べ、笑みをみせた。ターボプロップ市場は今後安定成長を続けるとみており、競合の離脱でさらに市場で優位にたてるとの自信を示した。

(星正道)

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