2019年8月21日(水)

原料・人件費 業績の重荷 3県の上場企業4~9月

2018/11/15 6:00
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北陸3県の主要な上場企業の2018年4~9月期の業績を分析したところ、製造業を中心に原燃料高と人件費増が利益を圧迫し最終損益が前年同期を下回る企業が目立った。人手不足も深刻で、米中貿易摩擦によって海外戦略の見直しを迫られる企業も多い。課題をどう乗り越えるか、各社トップも腐心している。

米中貿易摩擦の影響に懸念を示す経営者も多い(決算発表に臨むCKサンエツの釣谷社長、富山県高岡市)

■コスト増

ほとんどの企業が利益の押し下げ要因に上げたのが原燃料のコスト高だ。北陸の地場産業の繊維企業は染料の高騰に苦しむ。原産国の中国で政府当局の環境規制があり、セーレンの坪田光司社長は「ブルー(青色の染料)は10~20倍に値上がりしており、製品の値上げでヘッジするしかない」と漏らす。18年4~9月期は電力値上げも重なり、単体の利益を4億円押し下げたという。

倉庫精練はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術で「染色機の稼働率を見える化しロスの削減に取り組む」としている。17年に親会社となった丸井織物(石川県中能登町)のノウハウも生かす。

ナフサや鉄、紙なども高騰し、フクビ化学工業は7月に全商品で10%の値上げを決定した。原料の自社配合ではラインを見直すなどして2割程度は効率化したが、「最終的には20%くらいの値上げはしたい」という。北陸電気工業は電子部品の値上がりを吸収するため「国内外で5億円を投じ自動化を進めた」(多田守男社長)。

朝日印刷は価格転嫁に加え、新電力への切り替えも「ひとつの検討材料」(浜尚社長)とする。トナミホールディングスは昨年から6%の運送料金値上げを実施してきたが、今後については「5%台(の値上げ)で理解をいただければ」(綿貫勝介社長)という。

■技能継承・人手不足

北陸3県は有効求人倍率が全国トップ10に入っており、人手確保は喫緊の課題。1つの答えが外国人の主戦力化だ。プレハブ建築を手掛けるスペースバリューホールディングス傘下の日成ビルド工業は、タイやベトナムから技能実習生を受け入れて日本で教育する。スペースバリューの森岡篤弘最高経営責任者(CEO)は「母国に戻して現地で事業に携わらせる手法を導入した。技術者としてノウハウを伝授する」と話す。

田中化学研究所は10月から中国人の技能実習生7人を採用した。茂苅雅宏社長は「今まで外国人はいなかったが、今後のことを考えると運用できるか確かめる必要がある」と語り技能実習制度を取り入れた。

高齢者の活用に向け、アルビスは正社員の定年を65歳まで延長した。池田和男社長は「管理職での活用と技能継承の役割を担う」と期待する。

■米中貿易摩擦

製造業では米国の中国に対する追加関税でコスト増や仕入れルートの見直しといった影響が出始めている。産業用チェーンのオリエンタルチエン工業は、中国で仕入れたチェーンを北米に輸出しているが、19年1月から関税が25%に上がるため「売り上げの伸びが期待できなくなった」とこぼす。セーレンは米国の車両資材工場向けの原糸や染色前の生地の調達先の一部を中国から韓国、タイ、インドネシアに変更する方針だ。

現状で影響は軽微でも米中は世界の2大経済大国。伸銅品販売を主力とするCKサンエツの釣谷宏行社長は14日、「銅の相場は中国の需要に左右される。貿易摩擦で落ち込めば短期的には減収要因になる」と懸念を示した。

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