2019年5月24日(金)

安全確認の機会、再三逃す 目黒虐待死で都と香川県が検証

2018/11/14 18:30 (2018/11/14 20:25更新)
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東京都目黒区で3月に船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)が両親から虐待され死亡した事件で、都の検証部会は14日、児童相談所などの対応について報告書をまとめた。一家が香川県から引っ越した後、都の児相は再三にわたって結愛ちゃんの安全確認の機会を逃していた。報告書はリスクを巡る関係機関の「認識のずれ」や連携不足を課題として改善を求めた。

目黒女児虐待死で都に改善を求める報告書をまとめ、記者会見する検証部会の大竹部会長(中)ら(14日、東京都新宿区)

検証部会の大竹智部会長(立正大社会福祉学部教授)は「運営指針などにのっとった対応が迅速かつ丁寧に行えていたならば本児が亡くなることはなかった」として、都の対応を批判した。

結愛ちゃんは1月の転居前から虐待が疑われ、香川の児相が2回、一時保護するなどしていた。児相間の引き継ぎの問題が浮かび、都と香川県は合同で検証を行った。転居前後の自治体による合同検証は全国初という。

報告書によると、管轄する品川児相は虐待ケースとして受理後、国の児相運営指針が求める48時間以内の安全確認をしていなかった。

2月には目黒区から「家庭訪問する」と連絡を受けたが品川児相は「少し待つように」と伝達。児相の家庭訪問では実母に結愛ちゃんの安全確認を拒まれたが、緊急性が高いと判断せずに再訪問しなかった。

品川児相は香川の児相から送られた事案の資料に「継続支援が必要」との記載がなく、児童福祉司による指導も解除されていたことから「情報提供」として受け取っていたという。報告書は「児相間に認識のずれが生じた」と指摘したうえで、品川児相や区の連携の不備も指摘した。

報告書を受け、都の担当者は「元の情報にとらわれ、保護者との関係づくりを優先して次を探っている中で発生した。組織として危機感が低かった」としている。

都は10月から、子供の安全確認の強化に乗り出している。保護者に拒否されるなどして、虐待の疑いを把握してから48時間以内に安全確認できない場合、立ち入り調査を原則行うことを決定。警視庁との情報共有の対象も拡充した。

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