2018年12月10日(月)

戦後最長景気、海外にリスク 7~9月期マイナス成長

経済
2018/11/14 12:01
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内閣府が14日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は2四半期ぶりにマイナスに転じた。もっとも自然災害による要因が大きく、この影響が薄れる10月以降は再び回復軌道を取り戻すとの見方が多い。だが中国経済が減速しつつあるなど、日本の景気回復が戦後最長になるのを目前に、リスクも見え始めている。

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「景気は緩やかに回復しているとの認識に変わりはない」。茂木敏充経済財政・再生相はGDP発表後の記者会見でこう述べ、7~9月期のマイナス成長は自然災害による一時的な落ち込みとの見解を示した。

実際、自然災害は幅広い分野に影響を与えた。野菜や魚介類など生鮮食品の価格が高騰したほか、外出機会が減って消費を押し下げた。台風による関西国際空港の閉鎖で電子部品などを中心に飛行機での輸送が滞り、輸出が落ち込んだ。工場は被災し、生産を下押しした。

日本経済は緩やかな回復を続けており、このまま続けば景気回復の長さは2018年12月に戦後最長(73カ月)に並ぶ。自然災害の影響が解消され、復旧のための公的支出が増えることもあり、このシナリオが崩れるとみる市場関係者は少ない。だが以前に比べると、日本経済を取り巻くリスクが顕在化してきたのも事実だ。

リスクは主に海外にある。中国経済が減速感を強めるなどグローバル経済の鈍化と、米中の貿易摩擦の激化が、日本に波及する可能性がある。足元の景気統計には海外リスクの影響は出ていないとみられるが、内閣府幹部は「マインド面には表れている」と話す。

中国でのスマートフォンの生産やデータセンターの構築などの需要が一服し、日本からの関連部品の輸出が減っている。中国向け工作機械受注額は9月までの7カ月連続で前年を下回った。

中国では実体経済の減速に加え、米中の貿易摩擦も影を落としており、日本企業の間で設備投資を控える動きが広がりつつある。茂木氏も会見で「通商問題や中国経済が日本経済に与える影響についてしっかり注視していきたい」と述べた。

ソシエテ・ジェネラル証券の会田卓司チーフエコノミストは10~12月期はプラス成長に戻るとみるが「リスクシナリオとして貿易戦争激化でグローバル貿易が縮小し、プラス成長を抑制する可能性がある」と分析している。中間選挙を終えたトランプ政権が中国や日本との通商交渉をどう進めるかも含め、当面は海外情勢を注視する必要がある。

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