2018年12月10日(月)

マレーシア首相「ゴールドマンにだまされた」1MDBで

金融機関
東南アジア
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2018/11/14 7:47
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 【ニューヨーク=宮本岳則】マレーシア政府が米金融大手ゴールドマン・サックスへの圧力を強めている。マハティール首相は米CNBCテレビが13日放送した番組で、同国の政府系ファンド「1MDB」による巨額の資金流用問題を巡り、「我々はゴールドマン・サックスにだまされた」と非難した。マレーシアは1MDBの債券発行で同国がゴールドマンに支払った手数料を返還するよう求めており、今後も政府関係者による批判が相次ぐ可能性がある。

マレーシアのマハティール首相

マレーシアのマハティール首相

1MDBはマレーシアのナジブ前政権が設立した政府系ファンドで、汚職の舞台となった。首都の再開発などに資金を投じてきたが、総額45億ドル超の不正流用の疑いが浮上した。1MDBは債券発行で12~13年に約65億ドル(約7300億円)の資金を調達し、その一部が不正にかかわった人物の口座に流れていた。ゴールドマンの投資銀行部門は1MDBの債券を引き受け、約6億ドル(約670億円)の手数料を獲得した。

マハティール政権は汚職の解明を進めると同時に、マレーシアが不正流用で被った損失の「補填」として、ゴールドマンに手数料の返還を求めているようだ。マハティール首相はインタビューの中でゴールドマンを業務禁止にする可能性について聞かれると「我々は注視している」と述べるにとどめたが、「ゴールドマンは不正をしていた証拠がある」と主張。同社のコンプライアンス(法令順守)の部門が「全く機能していなかった」などと批判した。

マハティール政権がゴールドマンへの圧力を強めた背景には、米司法省の捜査がある。同省は11月上旬、1MDBの資金流用に関与したとして、ゴールドマン元幹部2人を起訴した。12日に地元ラジオ番組に出演したマレーシアのリム財務相は幹部の1人が有罪を認めたことを受けて「ゴールドマンが過失を認めた」と持論を述べ、同社に手数料の返還を求める理由にしていた。

ゴールドマンは当局の捜査に協力する姿勢を示しているが、手数料返還要求にはコメントしていない。同社が米証券取引委員会(SEC)に提出した資料では、米司法省や他の国々によって多額の罰金や刑罰、制裁を受ける可能性に言及している。13日の米国株式市場ではゴールドマン株が3日続落し、16年11月以来、約2年ぶりの安値圏で推移した。

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