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業績ニュース

中部地銀6行が増益 コスト削減で 国債売買には陰り

2018/11/13 20:20
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愛知、岐阜、三重県に地盤を置く地方銀行8行の2018年4~9月期決算が13日出そろった。本業のもうけを示す実質業務純益は、8行のうち6行が前年同期を上回った。日銀のマイナス金利政策が長引く中、手数料収入を増やしたほか、人件費などの経費削減を進めた。収益を下支えしてきた国債の売買などには陰りも見え始めた。

実質業務純益の伸び率が79%と最大だった十六銀行は、人員の再配置などで経費を約1割減らした。投資信託の販売やM&A(合併・買収)仲介などの手数料収入も増加。村瀬幸雄頭取は「まだ伸びしろはある」という。

多くの銀行は本業で増益を確保したが、銀行収益を支えてきた国債の売買などによる利益は減る傾向にある。国債など債券の含み益(9月末時点の8行合算)は400億円弱と、前年からほぼ半減。直近で最も多かった12年9月末の1200億円に比べると3分の1になった。

実際に18年4~9月期は8行合算の国債等債券損益が、5億円の黒字と前年同期の6分の1に減った。株価上昇で保有株式の売却益は出しやすくなっている半面、国債を売って利益を出す余力が減っている様子を反映している。

収益の柱である貸出金利も反転は遠い。18年4~9月期の貸出金利回りは8行全てで低下した。「貸出金利回りは下げ止まり傾向」(百五銀行の伊藤歳恭頭取)との声もあるが、愛知県内には地銀8行に加えメガバンクや信用金庫もひしめく。ナゴヤ金融は全国有数の激戦区で、経営環境は依然厳しい。

■与信費用は2年ぶり増
 中部地銀の2018年4~9月期連結決算では、不良債権処理にかかる与信関係費用が2年ぶりに増えた。一部で倒産や経営状態が悪化した業種・企業があったためだ。
 「運送業やハウスメーカーでは、燃料・原材料費や人件費の上昇で資金繰りが悪化しているところもある」。愛知銀行の矢沢勝幸頭取はこう話した上で、当初年5億円と見込んでいた与信関係費用を8億円に積み増したことを明らかにした。
名古屋銀行の18年4~9月期の与信関係費用は5億3400万円と、前年同期に比べて3倍超に増加した。藤原一朗頭取は「景気全体は好調だが、大企業と中小企業で差が出てきている」と説明。両行を含む5行で与信関係費用が増えており、一部では企業規模や業種に応じて引当金を計上したという。
 銀行は取引先の経営状態に合わせて、貸倒引当金など不良債権処理に備えた与信関係費用を計上する。取引先の業況が改善し、当初想定したほど引当金などが必要なくなれば、取り崩して戻入益が発生する。
17年4~9月期は3行で戻入益が発生し、8行合計の与信関係費用は600万円にとどまった。中部の景気拡大で取引先の経営状態が改善し、貸倒引当金の戻り益が収益を下支えする構図だ。
 もっとも、東京商工リサーチ名古屋支社によると、4~9月の中部3県の企業倒産件数は前年同期比1割近く増えたが、415件と低水準だ。大垣共立銀行と百五銀行では依然として戻入益が発生した。中部の景気拡大で倒産件数が少ない状態が続けば、与信関係費用も低く抑えられる。引き続き銀行収益の下支えになる可能性がある。

(横田祐介、池田将)

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