2019年8月23日(金)

東北の地銀 実質業務純益 3期ぶり増 18年4~9月

2018/11/13 20:00
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東北6県の地方銀行の2018年4~9月期決算が13日出そろった。本業のもうけを示す単体の実質業務純益は13行・グループの合計で前年同期比8%増と、4~9月期としては3期ぶりの増益に転じた。貸出金の増加や手数料収入の拡大、経費削減が奏功した。ただ貸出金利回りの低下は続いており、各銀行はコンサルティング営業や店舗運営の効率化などを強化する方針だ。

決算会見で説明する七十七銀行の小林英文頭取(9日、仙台市)

「収益源の柱は中小企業向けの貸し出し」。じもとホールディングス傘下の仙台銀行の鈴木隆頭取は13日の会見で強調した。9月末時点の貸出金残高は前年同月比5.5%増。中小向けでは8.6%増と伸ばした。貸出金利息収入と手数料収入が増え、実質業務純益は29%増だった。

七十七銀行の小林英文頭取は「この3年間でビジネスモデルを転換する」と意気込む。コンサルティング営業による手数料収入の確保に注力する考えだ。4月に本店に専門部署を設置した。人材紹介や販路開拓、資金調達などの顧客ニーズを掘り起こす。40人体制でスタートしたが、2倍の80人まで増員する。

手数料収入からなる役務取引等利益が2億9300万円増。コンサルティング強化が「法人手数料の伸びにつながった」(小林頭取)と自信を示す。ただマイナス金利の影響で貸出金利回りの低下に歯止めがかからず、預金と貸出金の利ざや収入が主な資金利益は10億円減って実質業務純益は減益だった。金利に左右されない手数料収入の確保に力を入れる考えだ。

フィデアホールディングスも役務取引等利益を2億1600万円増やした。「コンサルティング営業の結果が数字として見えてきた」(田尾祐一社長)。傘下の北都銀行と荘内銀行でノウハウ共有を進める。北都銀は投資信託販売でエリアごとに優秀な人を配置し、獲得実績や行員のスキルアップで成果を上げる。これを荘内銀に導入した。

10月には荘内銀と提携していたリース会社を子会社化した。北都銀が地盤とする秋田でもリース事業を展開し、新規顧客や資金需要を開拓する。一方、田尾社長は「マイナス金利で減った資金利益を手数料収入ですべて打ち返すことはできないため、経費削減も同時にやっていく必要がある」と話す。22年度までの中期経営計画でコスト削減を徹底する。店舗事務量を7割削減するなど40億円の削減効果を見込む。

         ◇

決算発表の会見では地銀トップから経営環境などについての発言が相次いだ。2018年3月期に最終損益が赤字だった福島銀行の加藤容啓社長は「ひとまず黒字に戻せたことはほっとしている。法人では私募債、個人では保険が伸びた」と説明した。

秋田銀行の新谷明弘頭取は「利ざやの縮小が続いており厳しい決算だが、貸出先の増加などで(19年3月期は)当初の収益の予想は達成できると考えている」と話した。

貸し出しについては「ミドルリスク企業への貸し出しは増えている。事業評価融資をさらに進め、利回り低下に歯止めをかけたい」(東北銀行の村上尚登頭取)とする一方、「積極的な中小企業向けの貸し出しで与信費用は増加する面がある」(山形銀行の長谷川吉茂頭取)との警戒もある。

店舗について岩手銀行の田口幸雄頭取は「小さな店舗を統合することで顧客の要望に応えられるようにサービスを向上させる」と強調する。東邦銀行の北村清士頭取は「採算の難しい店舗は大胆に休憩時間を取り、顧客が集中する時間に対応を注力する」とした。

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