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「覚醒剤販売も計画」 家裁、爆薬事件で元大学生逆送

名古屋市の元大学生の少年(19)が高性能爆薬などを製造したとされる事件で、名古屋家裁は13日、爆発物取締罰則違反や銃刀法違反などの疑いで送致された元大学生を検察官送致(逆送)とする決定をした。手崎政人裁判長は「高い社会的危険性がある非行を拡大させた重大な事案」として刑事処分が相当と判断。「覚醒剤の販売をもくろみ、計画を具体化させていた」とも指摘した。

名古屋地検は少年法に基づき10日以内に起訴するとみられ、成人と同様に公開の裁判となる見通し。一連の事件の動機などについて、元大学生がどう説明するか注目される。

逆送の対象となった事件は、(1)高性能爆薬「過酸化アセトン(TATP)」約57.4グラムや「四硝酸エリスリトール(ETN)」の製造(2)名古屋市名東区の公園でのTATPの燃焼(3)3Dプリンターで作った拳銃1丁の製造・所持(4)覚醒剤約0.6グラムの製造――など。

手崎裁判長は決定理由で、安全対策を取らないままTATPの点火実験を行った点や、警察の家宅捜索後も爆薬製造を続けた点を挙げ、「かなり危険な態様であり、歯止めが全く掛からない状態だった」と述べた。

拳銃や覚醒剤の製造についても「特殊な技能がなくても拳銃の大量生産や覚醒剤の密造ができると実証しており、社会的な影響が大きい」と指摘。人的被害が生じず、本人が反省していることを踏まえても保護処分は妥当でないと判断した。

決定によると、元大学生はSNS(交流サイト)で薬物事件の犯罪歴がある人物らと情報交換を重ねていた。またSNSで知り合った人物の発案を受け、自宅で覚醒剤を合成。銃製造の資金に充てるため、販売する計画もある程度具体化していた。

愛知県警は11月6日、元大学生に覚醒剤の原材料の一部を提供したとして茨城県古河市の自称派遣社員の少年(17)を覚せい剤取締法違反(製造)の疑いで逮捕した。2人が直接会ったことはなく、愛知県警は2人が共謀して覚醒剤を作ろうとした経緯を調べている。

3月に名東区の公園で爆発騒ぎが発生し、事件が発覚。県警が防犯カメラの映像などから元大学生を特定した。自宅からTATPやさらに威力の大きいETNを押収、8月に逮捕した。

●「化学好きでおとなしい」 爆発物や銃器に強い関心
 13日に検察官送致された元大学生(19)は私立高校で科学関連の同好会に所属し、実験などに熱心に取り組んでいた。
 学校関係者は「化学好きで、おとなしく目立たない生徒だった」と振り返る。爆薬の材料とした薬品の一部は、在学中に高校から持ち出したものとされる。
 SNS(交流サイト)で同じ興味を持つ仲間に「危ないものを作る者同士、仲良くしましょ」などと呼びかけていた元大学生。この日の名古屋家裁決定は「化学実験好きをはるかに通り越し、爆発物や銃器への強固な関心を抑えることができない」と指摘した。SNSで過激な発言を繰り返すことで「承認欲求を満たしていた」とも述べた。
 2018年4月に入学した私立大は逮捕後に自主退学した。捜査関係者によると、「また大学に行きたい」と話しているという。

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