せかい旬景 世界遺産の街で屋根歩きツアー

2018/11/17 5:50
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アパートの屋根から世界遺産の街並みを眺めてみませんか――。宮殿や大聖堂など歴史的な建築物が詰まったロシア第2の都市サンクトペテルブルク。ちょっと変わった場所から美しい街並みを見学するツアーが人気だ。

雨でぬれる屋根の上を注意しながら見晴らしのいいところまで歩く(ロシア・サンクトペテルブルク)

雨でぬれる屋根の上を注意しながら見晴らしのいいところまで歩く(ロシア・サンクトペテルブルク)

市中心部のアドミラルティスキー地区。エルミタージュ美術館や聖イサアク大聖堂など観光名所も近く、運河沿いには重厚な建物が連なる。そんな景色を屋根を歩きながら堪能するツアーだ。企画する会社の中には建物の所有者の許可を取らない違法なものも多いと聞き、合法であることを確認した上で申し込んだ。

ガイドの案内でアパートの中へ。老朽化した建物に不安がよぎる(写真左)。階段で6階建て集合住宅の屋上に向かう

ガイドの案内でアパートの中へ。老朽化した建物に不安がよぎる(写真左)。階段で6階建て集合住宅の屋上に向かう

参加したのは夕暮れ時、明かりがともり始める街の様子を楽しむツアー。しとしと小雨が降る中、待ち合わせ場所の橋の上に到着した。本当に開催されるか心配しているとツアー会社のガイドの男性が近づいてきた。ほかに若いカップルなども現れ参加者は記者も含め4人。

ツアーに参加したロシア人女性は思わず立ちすくんだ

ツアーに参加したロシア人女性は思わず立ちすくんだ

さっそく向かったのは6階建ての集合住宅で、見るからに古い建物だ。階段を上り終えると真っ暗な屋根裏に。「柵やつかまるところもあるので安全です」。スマホの明かりを頼りに進む中、ガイドの説明の声が響く。小さな扉が開けられると、外の明かりが漏れてきた。かがんでようやくすり抜けることができる大きさで、まるで洞窟探検の様相だ。

ようやく外へ出ると開放感と恐怖感に包まれた。目の前に伸びるのは雨にぬれたトタン屋根。いかにも足を滑らせそうだ。煙突や排気口に手を伸ばし足元に注意しながらゆっくり上っていく。どうにか屋根の最上部にたどり着くと、明かりが瞬く美しい街並みが広がった。

はじめは足を踏み出せなかったが、高さに慣れてようやく笑顔がこぼれた

はじめは足を踏み出せなかったが、高さに慣れてようやく笑顔がこぼれた

街の明かりが瞬きだした

街の明かりが瞬きだした

一段と見晴らしのいい建物の端まで歩くと、ガイドから詳しい解説などがあった。サンクトペテルブルクのシンボルのひとつ、カザン聖堂の荘厳なドームも望むことができる。同市には歴史的建造物より高い建物を造れない制限があり、遮ることなく遠くまで見渡せる。そんな条件が屋根歩きツアーの多い理由でもある。ロシア西部のサランスクから観光で来た男性(29)は「雨にかすむ街並みも美しかった」と満足そう。

建築規制できれいに高さがそろうサンクトペテルブルク。屋根に上がれば違った街並みが見渡せる

建築規制できれいに高さがそろうサンクトペテルブルク。屋根に上がれば違った街並みが見渡せる

だんだんと高さにも慣れ、もっと違うアングルの街を眺めたくなったが、雨でいよいよ足元が危なくなってきたのでアパートを下りた。このツアー会社が許可を得ている建物は6棟あり、それぞれ違った景色を楽しめるという。費用は日本円で約千円。参加される方はくれぐれも足元にご注意を。

(写真部 井上昭義)

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