2019年9月22日(日)

EV普及でも石油需要増続く IEA、40年予測引き上げ

2018/11/13 9:00
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【ロンドン=篠崎健太】国際エネルギー機関(IEA)は13日発表の2018年版の世界エネルギー見通しで、2040年の世界の石油需要予測を引き上げた。トランプ米政権による自動車燃費規制の緩和方針などを織り込んだ。電気自動車(EV)の普及や利用効率改善は抑制に働くものの、トラックや化学向けの需要が新興国で伸びると分析。需要が頭打ちになるとの見方を否定した。

IEAは40年まで石油需要が増えると予測する(サウジアラビアの油田施設)=ロイター

IEAは40年まで石油需要が増えると予測する(サウジアラビアの油田施設)=ロイター

各国の省エネルギー政策などを前提とする中心シナリオでは、40年の世界の石油需要を日量1億630万バレルとし、前年予測と比べ日量140万バレル引き上げた。17年実績(日量9480万バレル)から12%、年率0.5%のペースで積み上がる。25年までは年平均で日量約100万バレル増え、その後は年平均の伸びが日量約25万バレルに鈍化すると見込む。

上方修正の主因は、米国の自動車燃費規制の緩和だ。トランプ米政権は8月、オバマ前政権が定めた燃費基準を撤回し、世界の流れに逆行して規制を大幅に緩める方針を発表した。これにより燃費効率の改善やEV普及が遅れる可能性を考慮し、米自動車の40年の石油需要を前年予測より日量120万バレル引き上げた。

原油相場について、IEAは長期的に上昇基調をたどると想定している。加盟国の平均輸入価格ベースで25年を1バレル88ドル、40年を112ドルと予測した。それぞれ前年より5ドル、1ドル引き上げた。世界の石油需要は「40年までは頭打ちにならない」と強調した。

長期的な需要の伸びをけん引するのが、石油化学製品とトラック輸送だ。17年から40年までにプラスチックなどの石化向けは日量約500万バレル増え、トラック向けはインドを筆頭に主に新興国で日量約400万バレル増加する見通しだ。

先進国の石油需要は省エネの進展により40年にかけて減る半面、新興国では人口増や経済成長を背景に伸びが続く。米国では17年の日量1790万バレルから40年に日量1510万バレルまで減少する。これに対し中国は30年代に米国を抜いて世界最大の消費国となり、40年の需要は日量1580万バレルに達するという。

マイカーなど乗用車向けの40年の需要は17年比で微増にとどまる見通しだ。世界の乗用車台数は8割増え20億台を超すとの前提だが、燃費性能の改善で日量約900万バレル、EVや燃料電池車など非ガソリン車の普及で日量約750万バレル、需要がそれぞれ抑えられる。乗用車向け需要は20年代半ばに頭打ちになると予測している。

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