東商取、天然ゴムの新銘柄上場1カ月 売買低調も今後に期待
東京商品取引所が天然ゴムの新銘柄「TSR20」を上場して1カ月が経過した。世界景気の減速懸念で商品先物取引が全般に盛り上がりに欠ける中、TSRの売買も目標を下回っている。
TSRは機械で生産するため安定した品質が特長。タイヤメーカーの採用が増えている。東商取の10月のTSRの1日あたり平均売買高は2300枚。11月は9日までの7営業日で同2073枚。東商取が当面の目標とする6000枚に届いていない。
以前から上場している天然ゴムのRSSも10月の1日あたり平均売買高は5839枚と前月比2割減少。ゴムが2銘柄になり売買が分散した可能性がある。米中貿易戦争の影響で、中国のタイヤ需要が減るとの思惑からTSRの相場が軟調に推移したことも影響したとの声もある。値上がりを期待する個人投資家が取引を手控えたという。
商品設計そのものは評価する意見が出ている。受け渡しをタイやマレーシアの主要港での本船受け渡し(FOB)としており、楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは「中国などの輸出入業者を中心に海外から取引参加が見込まれる」と話す。
サンワード貿易の松永英嗣氏は「相場が上向き個人投資家が参加すれば、裁定取引の活発化が期待できる。時間の経過とともに売買高は増えるだろう」と今後に期待をつないでいる。(大)