2018年12月12日(水)

ベトナム議会 TPP関連法案を可決

東南アジア
アジアBiz
2018/11/12 21:00
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【シンガポール=大西智也】ベトナム議会は12日、米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国の新協定「TPP11」の関連法案を賛成多数で可決した。ベトナムは欧州連合(EU)とも自由貿易協定(FTA)の発効に向けて最終手続きを進めている。相対的な低い労働コストを武器に自由貿易を一段と推進し、輸出拠点としての競争力向上につなげる。

TPP11は既にメキシコと日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアの6カ国が国内手続きを終え、12月30日に発効することが決まっている。ベトナムは7カ国目の議会承認国となり、月内にも国内手続きを完了させたい考えだ。

米国を含む12カ国は2016年、TPPに署名したが、17年にトランプ米大統領が離脱を表明した。そのため、残る11カ国でTPP11の早期発効をめざしてきた。ベトナムは「自由貿易による恩恵が大きい」(グエン・スアン・フック首相)として当初から前向きな姿勢を示してきた。

世界銀行が15年に公表したリポートは、米国を含む12カ国でのTPP発効によるベトナムの国内総生産(GDP)押し上げ効果は30年までに10%と試算。加盟国で最大の恩恵を受けると指摘されていた。労働者の賃金が低く、関税コストの低下で特に労働集約的なアパレル産業などで輸出に追い風が吹くからだ。

TPPから米国が抜けたものの「恩恵を最も受ける国の一つであることに変わりはない」(みずほ総合研究所の酒向浩二上席主任研究員)とみられている。

ベトナムの17年のGDPは6.81%増で、08年以降の10年間で最も高かった。18年も1~9月でみると6.98%増となり、18年通年でも「当初見込んでいた6.7%増を達成できる」(フック首相)見通し。19年のGDP成長率も6.6%~6.8%とする高い目標を掲げている。

ベトナムはEUともFTAを結ぶ方向で最終的な準備を進めている。19年の発効が見込まれている。日本、韓国などともFTAや経済連携協定(EPA)を結んでおり、自由貿易を推進することで、持続的な経済成長につなげたい考えだ。

ベトナムでは人件費の上昇が続く中国から周辺国に新たな製造拠点を求める「チャイナ・プラスワン」の動きが続いている。米国と中国の貿易戦争の長期化の兆しも、企業のリスク分散の観点からその流れをさらに後押しする可能性がある。

ただ、ベトナムは国営企業の民営化が遅れているほか、外資規制などの法律の不透明な運用もたびたび指摘されている。自由貿易協定を最大限生かすには、これらの課題への対処が必要になりそうだ。

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台湾、TPP参加意向[有料会員限定]

2018/11/10付

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