2019年6月25日(火)

10月の工作機械受注、23カ月ぶりに減少

2018/11/12 18:35
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日本工作機械工業会(東京・港)が12日発表した10月の工作機械受注額(速報値)は前年同月比1.1%減の1391億7700万円で、23カ月ぶりに前年を割り込んだ。中国向けの失速で活況をけん引してきた外需が減速し、内需も勢いを欠いた。一方で人手不足や製造品目の高度化といった需要構造に変化はなく、大幅な落ち込みが続くとの見方は少ない。

内需は1.1%増の573億4700万円、外需が2.5%減の818億3000万円だった。1000億円が好不況の目安とされる工作機械業界で、月間1500億円前後の受注が続く空前ともいえる活況状態にあった。こうした状況は一段落したといえそうだ。

速報値のため国・地域別の内訳は明らかではない。ただ、輸出先としては主力となっている中国での不振が外需を押し下げたとの見方が強い。

工作機械大手からは「9月に入ってから中国が怪しくなってきた。みんな政治リスクに身構えている」(DMG森精機の森雅彦社長)、「それほどの落ち込みではないが、中国はやはり良いときの状況ではない」(オークマ)と、中国の異変を指摘する声が相次ぐ。

2008年のリーマン・ショック時には中国向けが急落し、全体では8割強の減少という「需要蒸発」に襲われた。今回は「中国が底割れすることはない」(ツガミの西嶋尚生社長)とみる向きが多い。

自動車やスマートフォン(スマホ)など製品の高性能化が進み、部品を製造する工作機械に要求される精度も上がっている。深刻な人手不足もあり、自動化のニーズは依然として強い。

「自動化したらデジタル化もセットで必要になる。対応せざるを得ないが(政治状況が)不安だということで、投資決定が先送りされている」(森社長)。本格的な需要回復には米中両国の緊張緩和が必要という状況が続きそうだ。

(井沢真志)

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