2019年9月18日(水)

スリランカ大統領 議会解散を宣言、違憲との見方も

2018/11/11 16:20
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【ニューデリー=黒沼勇史】スリランカのシリセナ大統領は9日夜、議会を解散し、1月5日に総選挙を実施すると発表した。シリセナ大統領は10月下旬、ウィクラマシンハ首相を突然解任し、親中派のラジャパクサ前大統領を首相に指名したものの、ウィクラマシンハ氏が解任無効を主張している。11月14日に議会で信任投票を予定していたが、シリセナ大統領は解任の是非を直接、民意に訴える戦略に切り替えた。

シリセナ大統領(右)は、ラジャパクサ前大統領(左)との連立を狙い、議会解散を宣言した(5日、コロンボ)=ロイター

シリセナ大統領(右)は、ラジャパクサ前大統領(左)との連立を狙い、議会解散を宣言した(5日、コロンボ)=ロイター

インド洋の島国スリランカは、東アジアと中東・欧州を結ぶ海路の要衝だ。中国の習近平(シー・ジンピン)政権は広域経済圏構想「一帯一路」でスリランカを戦略的に重視している。今回の議会解散により、対中政策で揺れる同国の政治混乱に拍車がかかりそうだ。

スリランカでは、ラジャパクサ前大統領時代に中国から多額の資金を借り入れて港湾や空港を整備し、対外債務が膨らんだ。この「債務のワナ」からの脱却をめざし、国際通貨基金(IMF)の財政支援を受ける一方で、南部のハンバントタ港の99年間の運営権を中国企業に譲渡するなど、綱渡りの資金繰りを迫られた。

シリセナ大統領の一派と、ウィクラマシンハ首相の政党「統一国民党(UNP)」は2015年から連立を組んできた。

ただ、今年2月の地方選で、ラジャパクサ氏の新党に7割の行政区議会を奪われ、連立与党側の勢力は大きく後退した。シリセナ大統領とウィクラマシンハ首相の足並みは大きく乱れ、シリセナ大統領はウィクラマシンハ氏からラジャパクサ氏に連立相手を切り替えて、政治生命の延命を図ったとみられる。

シリセナ大統領=ウィクラマシンハ首相の連立与党は15年、ラジャパクサ前大統領による強権政治への反省から大統領権限を弱める憲法改正を実施していた。

議会解散がスリランカの政治をさらに混迷させるのは確実だ。15年改正の現行憲法下で20年より前に議会を解散するには、国民投票や議員の3分の2の賛同が必要で、条件を満たしていないからだ。10月26日のウィクラマシンハ首相解任も、憲法改正後は大統領に原則として権限がないとして、同首相側は憲法違反と主張していた。解散の是非は司法闘争に発展する可能性もある。

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