UCC子会社 アートコーヒー買収 15億円
缶コーヒー原料大手でUCCホールディングス(HD)子会社のユニカフェは9日、三菱商事子会社のアートコーヒー(東京・千代田)を約15億円で買収すると発表した。アートコーヒーは飲料メーカーのほか、外食店やホテルなどの業務用にコーヒー豆の原料を提供しており、ユニカフェと事業領域が近い。相互に生産委託するなどして競争力の向上を狙う。
ユニカフェは、三菱商事に対して第三者割当増資を実施し新株を発行する一方、三菱商事が保有するアートコーヒーの全発行済み株式を取得する。増資後、三菱商事はユニカフェ株9.5%を保有する第2位の株主となる。
ユニカフェは年間約2万トンのコーヒー豆を焙煎しており、アートコーヒーと合わせると年間約3万5000トンの生産能力になる。ユニカフェの2017年12月期の売上高は約104億円。
国内のコーヒー消費量は2017年に約46万トンで拡大傾向にある。コンビニエンスストアのコーヒーの普及やペットボトルコーヒーの需要増などが背景にある。一方、缶コーヒーは価格競争も激化しており、生産分野の相互委託で収益力の向上が見込めると判断した。