2018年11月16日(金)

英経済に息切れ懸念 7~9月は0.6%成長

Brexit
ヨーロッパ
2018/11/9 19:30
保存
共有
印刷
その他

【ロンドン=篠崎健太】英政府統計局が9日発表した2018年7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.6%増だった。個人消費が賃金増を支えに堅調で、成長率は4~6月期の0.4%から加速した。だが企業投資は3期連続で落ち込み、欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感から企業活動の鈍化が鮮明。経済の息切れ懸念が漂っている。

成長率は調査会社リフィニティブがまとめた市場予想と一致し、16年10~12月期以来の高水準になった。前年同期比では1.5%増え、伸び率は0.3ポイント拡大した。

前期比を支出面でみると、GDP全体の6割強を占める家計最終消費が0.5%増え、伸び率が0.1ポイント高まった。名目賃金(賞与を除く)は足元で前年比3%余り上昇しており、インフレ率を上回る賃金の伸びが個人消費を支えた。夏場に好天に恵まれたこともサービス支出を押し上げた。外需も堅調だった。

一方で企業投資支出は1.2%減り、3期続けてマイナスになった。減少率は4~6月期(0.7%減)から広がり、16年1~3月期以来の大きさとなった。

今後は成長率が鈍るとの見方が多い。中央銀行イングランド銀行は10~12月の成長率を前期比0.3%と見込んでいる。好天などの一時的な押し上げ要因がはげ落ちるほか、EU離脱を控えた企業心理の慎重化も重荷になるとみられるためだ。

実際、英景気指標は10月に入って弱さが目立つ。英調査会社IHSマークイットと英国勅許調達供給協会(CIPS)がまとめた10月のサービス業の購買担当者景気指数(PMI)は52.2と、前月比1.7ポイント下がった。3月以来の低水準だ。製造業のPMIも悪化し「EU離脱の懸念による経済への打撃が強まっている」(IHSのクリス・ウィリアムソン氏)。

EUとの離脱交渉が進展して激変緩和策である「移行期間」の導入が固まれば、様子見だった企業の投資活動が持ち直して成長率を押し上げるとみられている。景気失速を回避できるかは、12月のEU首脳会議を前に大詰めを迎える離脱交渉の成否にかかっている。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報