2018年11月15日(木)

米中が外交・安保対話開催 協議の再開相次ぐ

トランプ政権
米中衝突
中国・台湾
北米
2018/11/9 17:13
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【ワシントン=永沢毅、北京=永井央紀】米国と中国が相次ぎ対話の再開に乗り出した。9日には1年5カ月ぶりに閣僚級の外交・安全保障対話をワシントンで開催。元高官も含めた複数のパイプを通じ、貿易摩擦や安保分野での懸案打開への糸口を探る。11月末の開催で調整している米中首脳会談に向けた環境整備を進める狙いがある。

外交・安保対話には米国からポンペオ国務長官とマティス国防長官、中国は楊潔篪政治局員と魏鳳和国務委員兼国防相が出席。南シナ海での中国による軍事拠点化や、北朝鮮の非核化が主な議題になる見込みだ。

米国が破棄方針を表明した米ロ間の中距離核戦力(INF)廃棄条約を巡り、核軍縮も話し合う可能性がある。トランプ米政権は同条約破棄の理由の一つに、中国によるミサイル増強をあげた。

外交・安保対話は当初、10月開催の予定だったが、貿易摩擦や米国による中国軍幹部への制裁などで見送られた。

貿易摩擦や安保での対立を受け、米中の対話のパイプは目詰まりをおこしていた。しかし、7日にはボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が楊政治局員とワシントンで会談。8日には米外交政策の重鎮、キッシンジャー元米国務長官が、習近平(シー・ジンピン)中国国家主席、王毅外相と北京で会談した。キッシンジャー氏はたびたびトランプ氏と面会し、外交・安保政策について助言している。

11月末のアルゼンチンでの20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせ、米中は1年ぶりの首脳会談の開催を調整している。ここにきて対話が再開しているのは、この前に懸案事項に関してできるだけ意思疎通を進める狙いがあるためだ。

対立が深まる一方の米中間で懸案の打開は容易ではない。中国外交部によると、楊政治局員はボルトン氏に、トランプ政権が支援を強化している台湾に関して「これは最も重要で敏感な問題だ」とクギを刺した。米中国交正常化に貢献したキッシンジャー氏に対し、習氏は「中国の正当な権益は尊重すべきだ」と強調した。台湾やチベット、南シナ海問題などが念頭にあるとみられる。

安保分野と異なり、一段と激しさを増している通商分野の対話は8月下旬の事務レベル協議を最後に開かれていない。9月下旬には閣僚協議の開催を検討したが、その直前に米側が第3弾の対中制裁関税を発動したことに伴って見送りとなった。

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