2019年1月20日(日)

Apple Watchで安全管理 高砂熱学工業が効果確認

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BP速報
2018/11/9 14:09
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高砂熱学工業は、米アップルのApple Watch(アップルウオッチ)の導入による業務改善の取り組みについて、一定の効果が得られたと2018年11月6日に発表した。同社は、17年11月下旬から400台のApple Watchを導入し、作業現場における生産性向上や、業務効率化、安全管理面の強化を目指してきた。18年度は、Apple WatchとiPhone専用のアプリケーションを開発することで、熱中症対策や作業員らの健康状態のタイムリーな把握、1人危険予知推進などで効果が確認できたという。

熱中症対策の健康チェックシートに回答する様子(出所:高砂熱学工業)

熱中症対策の健康チェックシートに回答する様子(出所:高砂熱学工業)

■IoT温度センサーと熱中症対策アプリ開発

発表によると、17年4月、同社は「生産性向上」「業務効率化IT(情報技術)推進」「女性活躍推進」のワーキンググループから成る「働き方改革委員会」を発足。同年9月には「働き方改革推進室」を設置した。この業務効率化IT推進ワークグループにおいて、現場から「手がふさがっていることが多い」「素早くスマートフォンの操作や応答がしづらい」「大事な連絡を逃してしまう」といった意見が寄せられたことから、Apple Watchの導入を決めた。

今回、Apple Watchの基本機能を利用した情報共有の効率化に加えて、Apple Watchに装着する「(あらゆるモノがネットにつながる)IoT温度センサー」や、iPhoneとApple Watchで利用するアプリケーション「熱中症対策アプリ」「指差呼称(危険予知)アプリ」をチェンジ(東京・港)と開発した。

Apple Watchに装着する「IoT温度センサー」(出所:高砂熱学工業)

Apple Watchに装着する「IoT温度センサー」(出所:高砂熱学工業)

高砂熱学工業はこれまで、夏場の作業における熱中症対策として、朝礼時と各休憩時、帰宅時ごとに(1日5回)健康チェック用紙の記入と、暑さ指数(WBGT)値を計測しながら水分補給間隔を確認して作業員に指示を行ってきた。しかし、健康チェック用紙の確認作業が大きな負担になったり、WBGT値の測定が現場内の朝礼会場など、特定場所に限定されたりする課題があった。

Apple Watchによる熱中症対策の概要図(出所:高砂熱学工業)

Apple Watchによる熱中症対策の概要図(出所:高砂熱学工業)

また、1人危険予知や安全衛生作業手順書の確認などに「指差呼称」と呼ぶ指さしおよび発声による安全確認を推進しているが、作業場の環境などによっては、必ずしも確認しきれていなかったという。

今回開発したIoT温度センサーと熱中症対策アプリは、Apple Watchに装着したIoT温度センサーにより、作業員(装着者)の周辺環境の温湿度をリアルタイムに計測できる。作業中は1時間に1度、Apple Watchの画面にチェックシートの入力依頼が通知され、熱中症予防についての回答を促す。作業現場の温湿度計測と作業員の回答から、タイムリーな把握が可能となるだけでなく、現場事務所のパソコン(PC)で一括管理を実現。1日5回の健康チェック用紙が記入不要となったことで、ペーパーレス化にも寄与したとする。

熱中症対策アプリのApple Watch画面(左)とiPhone画面(右)(出所:高砂熱学工業)

熱中症対策アプリのApple Watch画面(左)とiPhone画面(右)(出所:高砂熱学工業)

■指さしの動き、モーションセンサーで検知

「指差呼称(危険予知)アプリ」は、指差呼称を確実に行うため、Apple Watchのモーションセンサーを利用したデータの取得と管理を行う。作業員が発声とともに指差呼称を行う際の腕振り動作をApple Watchで検知し、カウントの自動集計とグラフ化をする。データはiPhoneアプリからサーバーへ送信され、管理者は作業員ごとの指差呼称の回数を確認できる。これにより、安全管理意識の啓発につなげる施策を展開し、作業員一人ひとりの感性を高めるとする。

指差呼称アプリのApple Watch画面(左)と指差呼称を実施する様子(右)(出所:高砂熱学工業)

指差呼称アプリのApple Watch画面(左)と指差呼称を実施する様子(右)(出所:高砂熱学工業)

今後、作業所内での温湿度に加えて、酸欠作業・硫化水素作業といった危険作業時の周囲環境を計測し、危険域ではアラームにより通知するなどの機能向上に努める。さらに、日報・手順書・週間作業連絡書のアプリを新たに開発し、工事管理の簡素化と社員の作業負担軽減を図る計画だという。

(ライター 森元美稀)

[日経 xTECH 2018年11月8日掲載]

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