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大阪桐蔭・根尾、中日へ 言葉に「大人」の雰囲気

2018/11/10 6:30
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10月25日に行われた今年のプロ野球ドラフト会議は、西武を除く11球団が高校生野手を1位指名し競合する、異例の展開になった。中でも注目されたのが、大阪桐蔭の史上初となる2度目の甲子園春夏連覇に貢献した根尾昂内野手。出身地の岐阜に近い中日に入団することで合意した。

これまでに高校生で最も多く指名が集まったのは、1995年の福留孝介(大阪・PL学園)と2017年の清宮幸太郎(東京・早実)の7球団。根尾にも同規模の指名が集中するとみられたが、同じ大阪桐蔭の藤原恭大外野手、兵庫・報徳学園の小園海斗内野手とほかの有力野手に分散。根尾を指名したのは中日、日本ハム、巨人、ヤクルトの4球団だった。

中日の交渉権獲得が決まった際、根尾は「小さい頃からテレビをつければドラゴンズさんの試合をやっていた。強いチームという印象がある」と語った。自身が小学生の頃、中日は落合博満監督の下で2年連続優勝を果たすなど、セ・リーグの先頭を走っていた。その中日のジュニアチームに所属し、人一倍身近に感じてきた球団と縁が結ばれたのはドラフトならではのドラマといえる。

中学時代にアルペンスキーの全国大会で優勝した経験を持つ運動神経の塊。大阪桐蔭では強打の遊撃手でならし、投手でも活躍した。春夏連覇した今年の甲子園大会は春の決勝で完投するなど、登板した全5試合で勝利投手になっている。

今季、大谷翔平(エンゼルス)が米大リーグに雄飛し日本球界に喪失感が漂った中、同じ二刀流の根尾が甲子園で八面六臂(はちめんろっぴ)の大活躍。一気に「ポスト大谷」として注目を集め、そのままドラフトでも最大の目玉になった。

指名あいさつに訪れた中日の与田監督(右)と握手する根尾=共同

指名あいさつに訪れた中日の与田監督(右)と握手する根尾=共同

大阪桐蔭の西谷浩一監督によると、学業も優秀な根尾は、遠征帰りのバスでチームメートの多くが寝ている中、よく本を読んでいたとか。「どの先生に聞いても『真面目』」の評価で通り、「根尾と僕、どっちが大人でどっちが子どもか分からないくらい」だったという。

ドラフト会議の翌日、中日の与田剛新監督から指名あいさつを受けた根尾は「自分の力でチームを底上げするのが一番の自分の使命だと思っている」と話した。「開幕1軍」や「新人王」を掲げる選手が多い中、個人的な目標は脇にやり、大局的な見地から所信表明をしたあたり、やはりただ者ではない。

一投一打、さらには重みある一言でもチームを引っ張り、まさに「大人」の雰囲気を醸す根尾。11月4日の入団交渉では「遊撃手一本でやらせてください、とお伝えした」と二刀流との決別を宣言したが、現時点での成熟度を思えば、プロの世界で生き抜くのに欠けている要素は、もはや経験くらいではないかと思えてくる。

(合六謙二)

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