2018年11月18日(日)

FRBが12月利上げ示唆 景気好調、今回は現状維持

経済
北米
2018/11/9 4:03
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は8日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。もっとも、米経済は大型減税などで成長率が3%台に高まり、物価上昇率も目標の2%に到達している。声明文では「さらなる利上げが正当化される」と改めて言及し、12月の次回会合で追加利上げに踏み切る可能性を示唆した。

FRBのパウエル議長=AP

短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は、投票メンバー9人の全員一致で年2.00~2.25%のまま据え置いた。FRBは9月の前回会合で利上げに踏み切った。今回は金融引き締めの影響を見極めるため、政策変更を見送った。

トランプ大統領はFRBの利上げに「引き締めすぎだ。(大型減税などの)これまでの成果が台無しになる」と批判を強めている。市中金利の上昇で住宅投資などが下押しされるためだ。ただ、パウエル議長らは「金融政策の判断に政治的な要素は加味しない」と中央銀行の独立性を繰り返し主張しており、今回の声明文でも利上げ路線を堅持する考えを表明した。

声明文では「経済活動は力強い水準に高まっている」と景気動向に自信をのぞかせた。米経済は大型減税が追い風となり、7~9月期の実質経済成長率が3.5%と、巡航速度である潜在成長率(2%弱)を上回って推移している。失業率は約48年ぶりという歴史的な水準にまで下がっており「ここ数カ月の雇用増は力強い」と主張した。

焦点の物価動向についても「インフレ率は2%近辺で推移している」と指摘した。FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は、7カ月連続で目標の2%を維持。FOMCは米経済が一時期の物価の停滞から脱しつつあるとの見方を強めている。

そのため、先行きの金融政策も「さらなる段階的な利上げが正当化されると想定している」と表明。12月の次回会合で追加利上げに踏み切る可能性を示唆した。FRBは9月の前回会合で、2018年中にさらに1回の追加利上げに踏み切る考えを示している。長期金利の上昇で米金融市場では一時的な株安に見舞われたが、FRB高官は「一時的な相場の調整」と静観を続けている。

ただ、トランプ米政権が仕掛ける貿易戦争が米景気のリスクとなる。FOMCは声明文で「企業の設備投資は、今年前半の高い伸びに比べて緩やかになっている」と指摘した。地区連銀からは関税引き上げによる物価や投資への悪影響を懸念する声が上がっており、今回の会合でも貿易問題を議論したもようだ。

15年末に始まった利上げ局面は3年に達しつつあるが、FOMCは19年も3回の追加利上げを想定している。一方で景気を冷やさず過熱もさせない中立的な政策金利の水準は3.0%とみており、現在のペースで利上げを進めれば19年半ばには同水準に到達する。FRB各高官は利上げサイクルの終了時期も模索し始めており、今回の会合で踏み込んだ議論をした可能性もある。

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報